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扭
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ね
ふりがな文庫
“
扭
(
ね
)” の例文
それを実地に役立てさえすれば、大きい錠前を
扭
(
ね
)
じ切ったり、重い
閂
(
かんぬき
)
を外したりするのは、格別むずかしい事ではありません。
報恩記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
するとお宮は、「おう
恐
(
こわ
)
い人‼」と、呆れたようにいって蒲団の端の方に身を
退
(
の
)
いて、
背後
(
うしろ
)
に
扭
(
ね
)
じ向いて私の方を見た。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
扭
(
ね
)
じつけられた辮子は
墻
(
まがき
)
の方へと引張られて行って、いつもの通りそこで鉢合せが始まるのだ。
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
いかめしい
碍子
(
がいし
)
を
扭
(
ね
)
じこんだりしたすえに、真黒で四角の変圧器まで取付けていった。
振動魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ああいえばこう——
扭
(
ね
)
じまがったことのみいうので、仕方がねえから、一先ず、陣を退き、今夜あらためて策を立てて、あいつを誰も知らねえところに、押し込めてしまったゆえ
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
▼ もっと見る
室のちょうど真ん中に、ひどく
扭
(
ね
)
じ曲ってまだぴくぴく動いている一人の男の体が横たわっていた。二人は爪先を立てて近寄り、それを仰向きにすると、見えたのはエドワード・ハイドの顔であった。
ジーキル博士とハイド氏の怪事件
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
僕はやっと体を
扭
(
ね
)
じまげ、オペラ・グラスの度を調節した。同時に又突然向うのボオトのぐいと
後
(
あと
)
ずさりをする錯覚を感じた。
湖南の扇
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
もう他の女は
扭
(
ね
)
じ向いて見る気にもならなかった。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
下人はとうとう、老婆の腕をつかんで、無理にそこへ
扭
(
ね
)
じ倒した。丁度、
鶏
(
にわとり
)
の脚のような、骨と皮ばかりの腕である。
羅生門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
下人はとうとう、老婆の
腕
(
うで
)
をつかんで、無理にそこへ
扭
(
ね
)
ぢ
倒
(
たほ
)
した。丁度、
鷄
(
とり
)
の脚のやうな、骨と皮ばかりの腕である。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
すると老紳士は、自分も急に口ざみしくなったと見えて、体を半分
後
(
うしろ
)
の方へ
扭
(
ね
)
じまげると、怒鳴りつけるような声を出して、「おい、ウイスキイを一杯」と命令した。
西郷隆盛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
大井
(
おおい
)
は急に調子を下げて、
嘲笑
(
あざわら
)
うような表情をしたが、やがて帳場机の方へ半身を
扭
(
ね
)
じ向けると
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
保吉は少し
体
(
からだ
)
を
扭
(
ね
)
じ
曲
(
ま
)
げ、向うの窓の下を
覗
(
のぞ
)
いて見た。まず彼の目にはいったのは何とか
正宗
(
まさむね
)
の広告を兼ねた、まだ火のともらない
軒燈
(
けんとう
)
だった。それから巻いてある
日除
(
ひよ
)
けだった。
保吉の手帳から
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
新公は打たれても、引つ掻かれても、
遮二無二
(
しやにむに
)
お富を
扭
(
ね
)
ぢ伏せようとした。しかし何度か仕損じた後、やつと彼女に組み付いたと思ふと、突然又
弾
(
はじ
)
かれたやうに、水口の方へ飛びすさつた。
お富の貞操
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
若者は襟を取られたまま、
斑竹
(
はんちく
)
の笛をふり上げて、横払いに相手を打とうとした。が、素戔嗚は手もとを
緩
(
ゆる
)
めるまでもなく、遊んでいた片手を動かして、苦もなくその笛を
扭
(
ね
)
じ取ってしまった。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そうしてまず
造作
(
ぞうさ
)
もなく、老婆をそこへ
扭
(
ね
)
じ伏せてしまった。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
扭
部首:⼿
7画