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煉
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ね
ふりがな文庫
“
煉
(
ね
)” の例文
綺麗なのが不仕合せ——不思議な言葉ですが、封建的に
煉
(
ね
)
り堅めたやうな江戸時代には、さう言つた例も少なくなかつたのです。
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そのお疵へ何か
煉
(
ね
)
りぐすりのようなものをぬって、もうひとりの黒装束は、さらし布でその疵をおつつみしようとしているのでございます。
亡霊怪猫屋敷
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
本邦で蛇の
脱皮
(
ぬけがら
)
で湯を使えば
膚
(
はだ
)
光沢を生ずと信じ、『和漢三才図会』に雨に濡れざる
蛇脱
(
へびのかわ
)
の黒焼を油で
煉
(
ね
)
って
禿頭
(
はげあたま
)
に塗らば毛髪を生ずといい
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
あの
黒方
(
くろほう
)
と云う
薫物
(
たきもの
)
、———
沈
(
じん
)
と、
丁子
(
ちょうじ
)
と、
甲香
(
こうこう
)
と、
白檀
(
びゃくだん
)
と、
麝香
(
じゃこう
)
とを
煉
(
ね
)
り合わせて作った香の匂にそっくりなのであった。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
よく
煉
(
ね
)
れたと思う時分に火から卸してパイ皿があれば結構ですし、なければブリキ皿へバターを敷いて今のジャガ芋を半分ほど下へ敷きます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
▼ もっと見る
煉
(
ね
)
り餌をやると、自分たち同類の鳥が巣を作る、至極あつらえ向きの
捏土
(
こねつち
)
だと思いこんで、ただ本能的にその上に
蹲
(
うずくま
)
る。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
醫者
(
いしや
)
は
爼板
(
まないた
)
のやうな
板
(
いた
)
の
上
(
うへ
)
に
黄褐色
(
くわうかつしよく
)
な
粉藥
(
こぐすり
)
を
少
(
すこ
)
し
出
(
だ
)
して、
白
(
しろ
)
い
糊
(
のり
)
と
煉
(
ね
)
り
合
(
あは
)
せて、
罎
(
びん
)
の
酒
(
さけ
)
のやうな
液體
(
えきたい
)
でそれを
緩
(
ゆる
)
めてそれから
長
(
なが
)
い
鋏
(
はさみ
)
で
白紙
(
はくし
)
を
刻
(
きざ
)
んで
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
と
宅
(
うち
)
へ帰って
彼
(
か
)
の毒薬を水飴の中へ入れて
煉
(
ね
)
って見たが、思うようにいけません、どうしても粉が浮きます、綺麗な処へ
礜石
(
よせき
)
の粉が浮いて居りますので
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
竹串に刺して
煉
(
ね
)
り焼きにするのがいちばんうまいのだとか、おとなびた口ぶりで話し続けながら、焼けてくる魚に塩を振りかけたり、幾たびも裏表を返したりした。
おごそかな渇き
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
彼は
心胆
(
しんたん
)
を
煉
(
ね
)
るため、毎夜、細糸を以って白刃を天井につるし、その下に眠るのを常としたという。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その日から清吉は父親と仕事場に並んで蝋を
煉
(
ね
)
っては人形の形を造って見るが、
何
(
ど
)
うも自分がかつて東京にいて見たような西洋の蝋人形のようにはうまく行かなかった。
蝋人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
大きな
乳鉢
(
にゅうばち
)
でつなぎになる薬を入れ——ヒヨスもはいったようでした——乳鉢で
煉
(
ね
)
り合せ、お団子くらいのよいほどの固さになった時、手に少し油を附けて、両手で
揉
(
も
)
んで
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
昌黎
(
しやうれい
)
信
(
まこと
)
とせず、
審
(
つまびらか
)
に
其
(
そ
)
の
仔細
(
しさい
)
を
詰
(
なじ
)
れば、
韓湘
(
かんしやう
)
高
(
たか
)
らかに
歌
(
うた
)
つて
曰
(
いは
)
く、
青山雲水
(
せいざんうんすゐ
)
の
窟
(
くつ
)
、
此
(
こ
)
の
地
(
ち
)
是
(
こ
)
れ
我
(
わ
)
が
家
(
いへ
)
。
子夜
(
しや
)
瓊液
(
けいえき
)
を
飱
(
そん
)
し、
寅晨
(
いんしん
)
降霞
(
かうか
)
を
咀
(
くら
)
ふ。
琴
(
こと
)
は
碧玉
(
へきぎよく
)
の
調
(
てう
)
を
彈
(
たん
)
じ、
爐
(
ろ
)
には
白珠
(
はくしゆ
)
の
砂
(
すな
)
を
煉
(
ね
)
る。
花間文字
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
たたきには、卵をどっさりいれてよく
煉
(
ね
)
り合わせないと、うまくない。卵を節約したに違いない。へんに
饂飩粉
(
うどんこ
)
くさいじゃないか。なってないねえ。やっぱり田舎だ。まあ、仕様が無い。食おう。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
第百三十六 オムレツの三 前のものよりモット上等にすると玉子の黄身ばかりへ少し塩を加えてよくよく
煉
(
ね
)
って
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
支那でも初至の天癸から紅鉛を製し、童男女の尿より秋石を
煉
(
ね
)
り、また新産児の
胞衣
(
えな
)
を混元毬など尊称して至宝となし、内寵多き輩高価に求め服して身命を
亡
(
うしの
)
うた例、『五雑俎』等に多く見ゆ。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
丁寧
(
ていねい
)
にすればその肉を
肉挽器械
(
にくひききかい
)
で挽いてバターと塩と溶き芥子と外に細かく刻んだ玉葱でも
交
(
ま
)
ぜて少し
煉
(
ね
)
るようにしてパンの間へ挟むとようございます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
今日書物で読んでさも自分が
煉
(
ね
)
り出したように、科学の学識のと誇る事どもも皆過去無数
劫
(
こう
)
の間不文の衆人が徐々に観察し来った功績の積もった結果だから、読書しない人の言を軽んずべきでなく
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
糠
(
ぬか
)
六合に塩四合を
白水
(
しろみず
)
で
煉
(
ね
)
ってその中へ鰯を漬けて
圧石
(
おし
)
をして二日ばかり過ぎて
後
(
のち
)
糠を洗って酢で食べてもよいし
炙
(
や
)
いてもよし、野菜と一緒に煮てもようございます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
それから木の
杓子
(
しゃくし
)
で休みなく
掻
(
か
)
き
廻
(
まわ
)
して
煉
(
ね
)
るようにするのですがこれがむずかしいもので随分骨が折れます。段々と煉っているとちょうど
生麩
(
なまぶ
)
のようになって来てブツリブツリと中が泡立ちます。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
○南京豆の豆腐は摺った南京豆一杯と上等葛一杯と水五、六杯の割にてよく交ぜ合せて鍋に入れ、火にかけて充分に
煉
(
ね
)
り、四角な器に入れ冷し、これを葛の
餡掛
(
あんかけ
)
にしてもよし、酢味噌にしてもよし。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
あれには先ず
兜鉢
(
かぶとばち
)
のようなものへバターを大匙に五杯取りまして上等のお砂糖を大匙に五杯入れて玉子廻しの器械でよく泡立てるように
煉
(
ね
)
ります。バターと申しても匂いのあるバターではいけません。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
煉
漢検準1級
部首:⽕
13画
“煉”を含む語句
煉瓦
赤煉瓦
煉瓦造
煉瓦壁
煉瓦建
煉薬
煉瓦塀
洗煉
煉羊羹
古煉瓦
煉瓦石
煉瓦敷
化粧煉瓦
煉瓦屋
青煉瓦
煉獄
試煉
修煉
煉瓦色
木煉瓦
...