“丁子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちょうじ73.7%
ちやうじ26.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
淋しい行燈の上、溜った丁子ちょうじをかき立てることも、いつもの癖の粉煙草をせせることさえ忘れて、八五郎と膝を突き合せるのです。
ぷんと、麝香じゃこうかおりのする、金襴きんらんの袋を解いて、長刀なぎなたを、この乳の下へ、平当てにヒヤリと、また芬と、丁子ちょうじの香がしましたのです。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
行燈あんどん丁子ちやうじが溜つて、ジ、ジとまたゝきますが、三人の大の男は瞬きも忘れて、互ひの顏を、二本の徳利を、うつろな眼で見廻すのです。
と思ふと夢のやうに、丁子ちやうじの匂が鼻を打つた。これが侍従の糞であらうか? いや、吉祥天女にしてもこんな糞はする筈がない。
好色 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)