“ちょうじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
寵児27.4%
丁子26.4%
丁字20.8%
停止10.4%
弔辞4.7%
重耳1.9%
長二1.9%
弔詞1.9%
張二0.9%
長治0.9%
沈丁花0.9%
灯花0.9%
長次0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
奥田は東京市の名市長として最後の光栄をひつぎに飾ったが、本来官僚の寵児ちょうじで、礼儀三千威儀三百の官人気質かたぎ権化ごんげであったから
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
ぷんと、麝香じゃこうかおりのする、金襴きんらんの袋を解いて、長刀なぎなたを、この乳の下へ、平当てにヒヤリと、また芬と、丁子ちょうじの香がしましたのです。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「このH通りの突あたりは丁字ちょうじ形の横通りになっていますね。そこ迄に幾つ横町があるでしょう。」泉原は相手を振返っていった。
緑衣の女 (新字新仮名) / 松本泰(著)
世間一般が鳴物なりもの停止ちょうじしているのに、不謹慎にも聚楽の城中ではさま/″\な宴会を催し、撿挍けんぎょうを召して平家を語らせたり、相撲を興行したりした。
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
知人の婚礼にも葬式にも行かないので、歯の浮くような祝辞や弔辞ちょうじを傾聴する苦痛を知らない。雅叙園がじょえんに行ったこともなければ洋楽入の長唄ながうたを耳にしたこともない。
西瓜 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
し建文帝にして走って域外にで、崛強くっきょうにして自大なる者にるあらば、外敵は中国をうかがうの便べんを得て、義兵は邦内ほうないに起るく、重耳ちょうじ一たび逃れてかえって勢を得るが如きの事あらんとす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あのまずしかった、あわれな長二ちょうじのことをおもしたときに。
おもちゃ店 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「それは飛んだ事で」と主人は正月早々弔詞ちょうじを述べている。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「おやまあ、よく来たこと。ゆうべの張二ちょうじさんじゃないか」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ですからさ、幇間たいこもちの張のせがれの、張二ちょうじなんで」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
粥河はもとより遊山半分信心はつけたりですから、眞葛の外に長治ちょうじという下男を連れて、それに芳町よしちょうやっこ小兼こかねという芸者、この奴というのは男らしいという綽名あだな
だが矢張やっぱきまりが悪くし間違やアしないか、たれか居るかと見ると、長治ちょうじという下男が掃除をして居る。
金坊きんぼう沈丁花ちょうじの油をつけてきたね。」
お浪もかえす言葉なく無言となれば、なお寒き一室ひとまを照らせる行燈あんどん灯花ちょうじに暗うなりにけり。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
お富のためには真実の叔母ゆえ、あとねんごろに野辺の送りも済ませてから、丁度七日の逮夜たいやの日に、本郷ほんごう春木はるき町の廻りの髪結かみゆい長次ちょうじさんと云う、色の浅黒い、三十二三になる小粋こいきな男がって参りました。