蝋人形ろうにんぎょう
私は一人の蝋燭造を覚えている。その町は海に近い、北国の寂しい町である。町は古い家ばかりで、いずれも押し潰されたように軒の低い出入の乱れた家数の七八十戸もある灰色の町である。名を兵蔵といって脊の高い眉の濃い、いつも鬱いだ顔付をして物を言わぬ男 …
作品に特徴的な語句
斯様そんな なあ いわ つか うずも すぐ どう つた さけ 調戯からかう あかっ かおり つつ あまり はた どろ あら ばかり 不審いぶかし うそ 回護かばっ こら 斯様こんな とか いじ 一々いちいち かたわら 其様そん 家数やかず 小山おやま 彼方あちら 彼様あんな のち 悄然しょんぼり 手出てだし 折々おりおり こす なぐ 晩留ばんどめ 暇乞いとまごい 気質きだて なき きれ 物覚ものおぼえ 祭日まつりび きたな かんがえ あやま たが 鬱然こんもり 一寸ちょっと 丁稚でっち たけ 不意ふい うち 二種ふたいろ たがい 何処どこ 何時いつ そば 其様そんな 勿論もちろん 北国ほっこく 口髯くちひげ 呉々くれぐれ はや かた 天性てんせい うち さび 小言こごと 少女おとめ なお もっと いただき 巨浪きょろう 年老としと さいわい あと 後方うしろ 徒跣はだし 性質たち うら 恋歌こいか 悪戯いたずら 愈々いよいよ あわ 手拭てぬぐい こぶし 接吻せっぷん 摺足すりあし