“調戯”のいろいろな読み方と例文
旧字:調戲
読み方割合
からか70.4%
からかい16.0%
からかは2.5%
からかわ2.5%
からかひ1.2%
からかう1.2%
からかっ1.2%
じょうだん1.2%
なぐさみもの1.2%
なぶ1.2%
なぶり1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一番目の兄も、機嫌きげんの好い時は、わざわざ奥から玄関まで出張でばって来る。そうしてみんないっしょになって、益さんに調戯からかい始める。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その時自分は「岡田君この呉春ごしゅん偽物ぎぶつだよ。それだからあの親父おやじが君にくれたんだ」と云って調戯からかい半分岡田を怒らした事を覚えていた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ひなのおとうさんは數衛かずゑといふで、をとこ髮結かみゆひでしたが、村中むらぢうで一ばんきたないといふ評判ひやうばんひとでした。そのきたな髮結かみゆひいへのおひなそだてられるとつて、とうさんはひと調戯からかはれたものです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
冗談半分に相手になって、調戯からかわれていた妹の様子は突然と変った。熱い石を氷の上に置くと見る見るめて来る。糸子は一度に元気を放散した。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いつもなら調戯からかひ半分に、あなたは何かしかられて、かほを赤くしてゐましたね、どんなわるい事をしたんですか位言ひかねない間柄あひだがらなのであるが、代助には三千代の愛嬌が、あとから其場そのばを取り繕ふ様に
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
とうとう清吉が声を上げて泣くまで調戯からかうのが常である。
蝋人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そうかね、生霊しょうりょうはおがらをいて迎え奉るものと思ってたが、やっぱり新体詩の力でも御来臨になるかい」と迷亭はまだ碁をそっちのけにして調戯からかっている。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
調戯じょうだんじゃない。君と僕とドッチが先きへ死ぬか、年からいったって解るじゃないか。」
鴎外博士の追憶 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
しかも良人をつとのあだかたきなる、二人の為に身をけがされて、調戯なぐさみものとなれる事、もともといかなる悪業ぞや。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
圧制家デスポト利己論者イゴイストと口ではのろいながら、お勢もついその不届者と親しんで、もてあそばれると知りつつ、玩ばれ、調戯なぶられると知りつつ、調戯なぶられている。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「今夜は大分御機嫌だが」と昇も心附いたか、お勢を調戯なぶりだす。「この間はどうしたもンだッた? 何を云ッても、『まだ明日あしたの支度をしませんから』はッ、はッ、はッ、憶出すと可笑おかしくなる」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)