“からかひ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
翻弄20.0%
調戯10.0%
唐岬10.0%
嘲弄10.0%
弄謔10.0%
挑發10.0%
揶揄10.0%
調弄10.0%
調戲10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
本に両為りようだめで御座んすほどにと戯言じようだんまじり何時となく心安く、お京さんお京さんとて入浸いりびたるを職人ども翻弄からかひては帯屋の大将のあちらこちら
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いつもなら調戯からかひ半分に、あなたは何かしかられて、かほを赤くしてゐましたね、どんなわるい事をしたんですか位言ひかねない間柄あひだがらなのであるが、代助には三千代の愛嬌が、あとから其場そのばを取り繕ふ様に
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
代助はチヨコレートを二杯命じて置いて誠太郎に調戯からかひだした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
白猪と並び称せられる唐岬からかひの滝を見たかどうかは記憶にない。私の一番強く感銘したのは、途中の谷川に大きな岩石がごろごろと転り、その上に松の樹が生えてゐたことである。
初旅の残像 (新字旧仮名) / 安倍能成(著)
お光が嘲弄からかひ半分の積りでこんなことを言ふと、旦那は躍起となつて
兵隊の宿 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
受けなかつたらかへつて神罰が有ると、弄謔からかひとは知れてゐるけれど、言草いひぐさが面白かつたから、片端かたつぱしから引受けて呷々ぐひぐひ遣付やつつけた。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ほんに兩爲りやうだめ御座ござんすほどにと戯言じようだんまじり何時いつとなく心安こゝろやすく、おきやうさんおきやうさんとて入浸いりびたるを職人しよくにんども挑發からかひては帶屋おびや大將たいしやうのあちらこちら
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
が、流石は女心で、例へば健が郡視学などと揶揄からかひ半分に議論をする時とか、父の目の前で手厳しく忠一を叱る時などは、はたで見る目もハラ/\して、顔を挙げ得なかつた。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
そして恐る/\卓子テーブルの下を覗き込んで見ると、自分が調弄からかひ気味ぎみにそつと触つたのは、おとなしい姉娘のと思ひの外、おきやんな妹娘の足であつた。
彼は又最も無邪氣な意味に於ける競爭心と、面白半分の調戲からかひとの幾つかを見るやうな氣がした。さうして聊か見下した意味に於いて彼等を愛する心持を覺えた。
三太郎の日記 第二 (旧字旧仮名) / 阿部次郎(著)