)” の例文
新字:
御拂おはらひになるなら」とすこかんがへて、「六ゑんいたゞいてきませう」と否々いや/\さうにけた。御米およねには道具屋だうぐやけた相場さうば至當したうやうおもはれた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
もツといい師匠と云つても、そんな人に就けるだけのうちがあるか、どうだかまだ分らない上に、友人の笛村をさし置いての仕うちは餘り面白くないと義雄に考へられた。
泡鳴五部作:01 発展 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
「田賣らうにも、が下がつてるし、第一けふは不景氣で買手があろまい。」
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
四度目よたびめにはらないをとこ一人ひとりれてたが、そのをとことこそこそ相談さうだんして、とう/\三十五ゑんけた。其時そのとき夫婦ふうふちながら相談さうだんした。さうしてつひおもつて屏風びやうぶはらつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それはなか/\が高いので買へなかつたが、むらさき水晶の小材にお鳥の姓清水を刻して貰ふことにして、そこを出た。腹具合が惡いと云つたお鳥は、一番大きさうな藥屋でヘルプを買つた。
泡鳴五部作:01 発展 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
翌日あくるひ宗助そうすけ役所やくしよて、同僚どうれう誰彼だれかれこのはなしをした。するとみなまをあはせたやうに、それぢやないとつた。けれどもだれ自分じぶん周旋しうせんして、相當さうたう賣拂うりはらつてやらうとふものはなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)