“音:ね” の例文
“音:ね”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花58
吉川英治41
小川未明28
紫式部27
夏目漱石21
“音:ね”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語10.7%
文学 > 日本文学 > 詩歌7.6%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)6.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
そうして、そのなめらかな水面を、陽気な太鼓の音、笛の、三味線の音がしらみのようにむずかゆく刺している。
ひょっとこ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ただそこにたたずんだまま、とぼしい虫のに聞き入っていると、自然と涙が彼の頬へ、冷やかに流れ始めたのである。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
伶人れいじんの奏楽一順して、ヒュウとしょうの虚空に響く時、柳の葉にちらちらとはかまがかかった。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それでも気にしないでいると、いつのまにか、おだやかに戻っていて、やがて尺八のがしだしたりするものだから安心します。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
道庵が、そこで足を洗いにかかると、この宿の楼上で三味線のがします。そこで道庵が、またも足を洗う手を休めてしまって、
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
尺八のに引かれて、知らず知らずわたくしはここまでおあとを慕って来て、ついに、お屋敷の中まで紛れ込んでしまいました。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
すず早馬駅はゆまうまや堤井つつみゐみづをたまへな妹が直手ただてよ 〔巻十四・三四三九〕 東歌
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
エキモスはおどり上がりました。うれしさに涙ぐみました。なります、なります。なんともたとえようのない美しいがします。
銀の笛と金の毛皮 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
だがそのなかにあつて、なほ自然にかもし出される音の世界はそれでもいくらか複雜ないろを持つてゐたといひうるであらう。
(旧字旧仮名) / 島木健作(著)
じいさんは、みみかたむけました。それにしてはなんとなく、そのは、真剣しんけんかなしかったのです。
手風琴 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こんなことを話し合つてゐる中に、千代松は莖ばかりのかりといふ煎茶を丁寧に入れて、酒の出るまでと道臣に進めた。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
蛮絵ばんえを着た童部わらべたちに画棹がとうの水を切らせながら、微妙な楽のを漂わせて、悠々と動いて居りましたのも
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
彼はその思い出の中に、長蝋燭ながろうそくの光を見、伽羅きゃらの油の匂を嗅ぎ、加賀節かがぶしの三味線のを聞いた。
或日の大石内蔵助 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ただ山の手の巡回中、まれにピアノのでもすると、その家の外にたたずんだまま、はかない幸福を夢みているのですよ。
或恋愛小説 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
行水ぎょうずいの捨て処なし虫の声」虫のに囲まれて、月を見ながら悠々と風呂につかる時、彼等は田園生活を祝した。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
紀三井寺の入相の鐘のというところに妙に節をつけて――つまり鳴物入なりものいりで話にまた相当の凄味すごみがついた。
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
実験室は、きちんと取片づけられ、そして五分置きに、どこからともなくオルゴールががくを響かせ、それについで、
東に溢れ西に漲り、いらかを圧し、樹々を震はせ………………………弱り弱ツた名残のが、見えざる光となツて、今猶、或は
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「そら見たことかい、それでやっとお前さんにも、女の底力がわかったというもんさ!」と、例の小百姓が頓狂なをあげた。
例の壮烈な舌をして、一気に小次郎はこういったが、それに気を呑まれて、大勢の顔からぐのも出ないので、また――
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「では昨夜、雨の小やみな時に、時々一節切ひとよぎりがしていたようだけれど、あれはどこで吹いていたのだろうね」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平次の驚きの前に、お徳は淋しいが、妙に情熱的な笑いを見せて、元の仏間に入って行きました。間もなくかねがします。
そのは、行々子ぎやう/\しにおくられつゝ、かはづこゑむかへられたやうながした。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
私は右の耳に江戸清掻えどすががきのを聞き、左の耳に角田川すみだがはの水の音を聞いてゐるやうな心もちがした。
世之助の話 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「それならお兄様……あの鐘のはもうお聴きにならなくてもいいのですか……お兄様……ききたいとはお思いにならないのですか」
ルルとミミ (新字新仮名) / 夢野久作とだけん(著)
しばらくして、彼方かなた波上はじやうから、ひと呼聲よびごゑと、オールとがちかづいて
「俺は松火たいまつの光を見たよ」若い方が忍びで云った。「確かに夢見山の中腹でな。……そうさ、噂は本当らしい」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
雲は野火の煙の低迷する如く、富士の胴中を幅びろに斜断して、残んの月の淡い空に竜巻している、うぐいすのなくまじる。
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
ふと気色ばんだお珊のさまに、座がしんとして白けた時、表座敷に、テンテン、と二ツ三ツ、じめの音が響いたのである。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
櫻山さくらやま夏鶯なつうぐひすれつゝ、岩殿寺いはとのでら青葉あをば目白めじろく。
松翠深く蒼浪遥けき逗子より (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
夜半よはのねざめに鐘の音ひゞきぬ。おもへばわれは清見寺せいけんじのふもとにさすらへる身ぞ。ゆかしの鐘のや。
清見寺の鐘声 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
はやしがすむのをきっかけに、あのからひヾいてくるかとおもはれるやうなわびしい釣鐘つりがねがきこえる。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
其処そこではじめのうちわれともなくかねきこえるのを心頼こゝろたのみにして、いまるか
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
内側では考えているようであったが、やがて閂を外すらしい、きしが鈍く聞こえてきて、やがて関門の扉があいた。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ヒューッとはいる下座の笛、ドンドンと打ち込む太鼓つづみ、嫋々じょうじょうと咽ぶ三弦の、まず音楽で魅せられる。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
値の高い楽器からは、がするものだと思ひ込んでるらしい音楽好きは、その日になると吾れ勝ちに会場に押しかけて来た。
伶人れいじんの奏楽一順して、ヒユウとしょう虚空こくうに響く時、柳の葉にちら/\と緋のはかまがかゝつた。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
一頃ひところの熱狂に比べると、町もシーンとして来た、小諸停車場の前で吹く喇叭らつぱが町の空に響き渡つた。
突貫 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ええ、こうなる上は区々くくたる浮世の事に乱されずに、何日いつもお前の糸のを聞いてお前の側にいるも好かろう。
おまへの緑の髮の毛の波は、貝のが斧のときしらせると、眞紅しんくまる。すぎしかたを憶ひだして。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
かぜは、そのし、あおい、あおい、ガラスのようなそらには、しろいかもめがんでいました。
海のまぼろし (新字新仮名) / 小川未明(著)
名人めいじんだけあって、それはうまいもので、ピアノのれば、バイオリンのたのであります。
年ちゃんとハーモニカ (新字新仮名) / 小川未明(著)
もっと奇形なのは、征途に去る者、残る者の悲壮もよそに、折々鎌倉の夜の闇を、あやしくゆするかねだった。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
父はこの淀井を伴い、田崎が先に提灯ちょうちんをつけて、蟲のの雨かと疑われる夜更よふけの庭をば、二度まで巡回された。
(新字新仮名) / 永井荷風(著)
甲走かんばしる声は鈴のよりも高く、静かなる朝のまちに響き渡れり。通りすがりの婀娜者あだものは歩みをとどめて、
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、ミミはもう、ルルの顔をあおぎながら、そのが聞こえるようにため息をしました。ルルも一所にため息をしました。
ルルとミミ (新字新仮名) / 夢野久作とだけん(著)
腕は真陰流に固ッていても鋤鍬すきくわは使えず、口は左様さようしからばと重く成ッていて見れば急にはヘイのも出されず
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
かきひまがあらいとて忍びを漏らす訳は少しも無之、それを両者相関係するが如く言ひなすは言葉のシヤレと相見え申候。
人々に答ふ (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
こわごわその上をあるいて行きますと、どこからともなくいいにおいがして、たのしいがくがきこえてきました。
浦島太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
手箪笥てだんす抽斗ひきだし深く、時々思出おもいだして手にえると、からなかで、やさしいがする。
栃の実 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
傷ついた心をともにむせび泣いてくれるような、胡弓のいとがお雪の心情こころのようにさえ思われて来たが、
モルガンお雪 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
桜の枝にははちと風とがを立てて居る。庭にはあなたと母様と二人きり白い花弁が雪のように音もなく散りかかる。
少年・春 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
と俊夫君は言いました。按摩は悲しそうな笛のを立て、高い足駄あしだをはいて、杖でさぐりながら、こちらへ近よってきました。
現場の写真 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
ことや、ふえや、たえなるものほがらかなうたこえは、よるとなくひるとなく
北海の白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
秋草あきくさみだれた高原こうげんを、だんだんとおざかってゆく、手風琴てふうきんがきこえました。
手風琴 (新字新仮名) / 小川未明(著)
低い――水のせせらぎにも似たに、沢庵は自分自身が、行く水となって、谷間にせかれ、瀬に游んでいるような思いに引き込まれた。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ゆうべ夜半よなかに、宿の枕へほそぼそとかよってきたが、必ずしも、あの虚無僧とはかぎるまい、世間に虚無僧も大勢ある。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「このふえぼうやにやるから、あちらのおかへいっていてごらん。これはいいるよ。」といいました。
赤い船のお客 (新字新仮名) / 小川未明(著)
何となく悲しく、鳴らしている立琴のを聞きつつ、空想にふけっているとその男の姿は遠くなって見えなくなった。
――琴のは、毎夜聞えた。――音は澄んでいて、乱れていない。何う聞いても、清純な処女おとめの指からまろぶ音であった。
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
第一長蔵さんや茶店のかみさんにった時なんぞは平生の自分にも似ず、ぐうも出さずにしんからおとなしくしていた。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もうその時に見た山の形や町の様子なぞもボンヤリしてしまって、只、ガタ馬車の喇叭のが耳に残っている切りです。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
胴巻とは言いながら、小出しの胴巻に過ぎないので、被害は案外軽少であったためにを上げなかったのかも知れない。
それからまたあちこちの木々きぎしげみのなかに、なんともいえぬうつくしいとりきこえます。
あさにゆくかりごとくものおもへかもこゑかなしき 〔巻十・二一三七〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
はしの下にっていた弁慶べんけいは、とおくのほうからふえこえてると、
牛若と弁慶 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
うかとおもふと、とほくにからかねひゞいてるか、とも聞取きゝとられて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
樽野の部屋から朝夕朗らかな喇叭ホルンが響き渡るのを知つた青年代表が彼を訪れて管楽に関する教へを乞ふた。
村のストア派 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
主人はかうきめつけられて、ぐうのも出ず、くなつた蝙蝠傘のやうに、真つ直につてぶるぶるふるへて居た。
褐色の池のぴたぴたとを立てる処、蔦の葉の山毛欅ぶなの幹にまとわる処、その空寂の裡に彼は能く神々をらつきたった。
朧夜おぼろよに星の影さへ二ツ三ツ、四ツか五ツかかねも、もしや我身わがみ追手おつてかと………
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
おとうとふえみみかたむけると、もう、自分じぶんは、ひろい、ひろ
港に着いた黒んぼ (新字新仮名) / 小川未明(著)
誰がふくのか、笛のだった。そう距離もないらしい本丸の林を通って、冴えたが風に運ばれて来るのであった。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
図に乗って、また舌の動き放題ほうだいに、怖がらせをしゃべっていたが、お米に返辞がないので、こんどは少しやわらげて、
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
禰宜ねぎ(神職)の振る鈴の、かすかな燎火にわび、そして拍手かしわでのひびきなど、遠くの兵たちにもあわくわかった。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
陰気に……陰気に……淋しく、……淋しく……極度まで打ち込まれて行った鼓のがいつとなく陽気な嬉し気な響を帯びて来たからである。
あやかしの鼓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
お母様が聞いていらっしゃるに、隣の娘がいても、代稽古に来る娘が弾いても、余り好いがしたことはない。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「少し気がききすぎているくらいだ。これじゃつづみのようにぽんぽんする絵はかけないと自白するはずだ」と広田先生が評した。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その時経文歌モテットが止んだかと思うと、突然思いもよらぬ美しいいとが耳膜を揺りはじめた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
かん/\とこほつてかねしづんだ村落むら空氣くうきひゞわたつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
所が其音そのおと何時いつかりん/\といふ虫のに変つて、奇麗な玄関のわき植込うゑごみの奥で鳴いてゐる様になつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
まだ聞かざりしをさやかに知るは怪しけれど、疑ひなきそれとまくらおしやりて、居直ゐなほれば又ひとこゑさやかにぞなく。
すゞろごと (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さながら水を掻きゐたるかひが、疲勞つかれまたは危き事を避けんため、一の笛のとともにみな止まる如くなりき 一三三―一三五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
カピはたしかに高名になってもいいだけのことはあったけれど、わたしが……わたしが天才だなどとは、どこをおせばそんなが出るのだ。
意気な三味のが雨と降るなかを、セルロイド製のやうな頭をり/\三条へ出て、橋詰の万屋よろづやで一寸小休こやすみする。
チチアネルロ (目を閉して。)消えかけた物の。死せる詩人の明かならざる言葉、凡ての諦め去った事がらの美しく見えるのはそれだ。
いつしか、むら子供こどもらまで、松蔵まつぞうくバイオリンのを、感心かんしんしてくようになりました。
海のかなた (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、折しも本堂では、老僧の声で物も哀れに普門品ふもんぼんを読誦しつつ、勤行ごんぎょうかねが寂しくきこえて来ます。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
粘土のと金屬の色とのいづれのかなしき樣式にでも舟の如く泛ぶわたしの神聖な泥溝どぶのなかなる火の祈祷。
聖三稜玻璃 (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
どこかで鳴くこおろぎさえ、ならんでいる人の耳に肌寒はださむ象徴シンボルのごとく響いた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かすかにおとよさんの呼吸いきの聞き取れた時、省作はなんだかにわかに腹のどこかへ焼金を刺されたようにじりじりっと胸に響いた。
隣の嫁 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
最後に昨夜の月明げつめい何処どこからとも無く響くギタルのを聞いて寝たのが何だか物哀ものがなしかつたことを附記して置く。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
青白い月光に染まった透明な水の世界の中で、単調な歌声は、風に消えていく狩りの角笛ののように、ほそぼそといつまでもひびいていた。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
空は高し、渡鳥、色鳥の鳴くは嬉しいが、田畑と言わず駈廻かけまわって、きゃっきゃっと飛騒ぐ、知行とりども人間の大声は騒がしい。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
梅野十伍はそのベルのを聞いた瞬間に必ずや心臓麻痺を起し、徹夜の机の上にぶったおれてあえなくなるに違いないと思っているのである。
軍用鼠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
続いて囃方はやしかた惣踊そうおどり。フト合方が、がらりと替って、楽屋で三味線さみせんを入れた。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そうして、時々声に出してじゅする経のもんが、物のたとえようもなく、さやかに人の耳に響く。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
ヴィオリンのや、ピアノや、オルガンの音をはじめて耳にしたのも伯母さんの住居へとまりにいったからだった。
源三郎は、もたてない。この刀林の下、いかな彼もたまるまい。すでになますにきざまれたに相違ないのだ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「そのことでなんかいて見ましょうか、真っ黒になってて、鰹節かつぶしみたいな古い箏だけれど、それは結構なを出すの。」
江木欣々女史 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
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