忠實まめ)” の例文
新字:忠実
「加納屋の番頭の忠吉ですよ、——ケチで高慢で女道樂がひどい主人にくらべると、忠實まめで正直で働き者で話のわかる、良い男ですよ」
「昔しから物好きで、忠實まめな人やつたんやろ、野口さんが天狗のゐる山へ夜番にいたのを聞いて、喫驚さしとなつて、耐らなんだんやろ。」
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
留守るす何分なにぶんたのむとおつしやつてそのまゝおかけになりました、おくばりにおいでなされ、おいてまするからと忠實まめ/\しう世話せわかるゝにも、不審ふしんくもむねうちにふさがりて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
忠實まめに働く許りだ。
自分は見た (旧字旧仮名) / 千家元麿(著)
ノツポの八五郎と鶴龜燭臺つるかめしよくだいになりさうな小男、器用で忠實まめで貧乏で、平次と八五郎に對しては、眼の寄るところに寄つた玉の一人だつたのです。
ガラツ八の八五郎が忠實まめな顏を持つて來たのでした。