忠実まめ)” の例文
旧字:忠實
何処へでも忠実まめにお歩きあそばせば、御贔屓のお方もいかいこと有りまして来い/\と仰しゃるのにお出でにもならず、実に困ります
梅若七兵衛 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
次郎左衛門はもともと士分とも言われぬ小身ものだけに、自分もそのつもりで、始終起ったり坐ったりしながら、忠実まめに一同の用を達していた。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
有松氏はずつと前から、自分の管内にさういふ忠実まめな狗が居る事を自慢にしてゐた。で、その日も出迎への俥の先に蹲踞かいつくばつてゐるたくましい狗を見ると
そんな訳で、奉公したては、旦那が感心するくらい忠実まめに働くのだが、少し飽きてくると、もういたたまれなくなって、奉公先を変えてしまうのです。
アド・バルーン (新字新仮名) / 織田作之助(著)
その夜おそくまで岡はほんとうに忠実まめやかに貞世の病床に付き添って世話をしてくれた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
忠実まめやかなところを見せて置くのが、当節とうせつ商人気質あきゅうどかたぎ、それを右衛門七の手から届けさせて、お気に召すとなれば、だんだんに取り入って、お粂さんと夫婦して暖簾を持つようになっても
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ガラッ八の八五郎が忠実まめな顔を持って来たのでした。