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肉刺
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まめ
ふりがな文庫
“
肉刺
(
まめ
)” の例文
九歳になる女の子は裁縫用の鋏で丁寧に一尺四方ぐらいの部分を刈りひらいて、人差し指の根もとに大きなかわいい
肉刺
(
まめ
)
をこしらえていた。
芝刈り
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
ま
赦
(
ゆる
)
してください、暇がないんです。……(笑う)あなたはね、世間で言う「人の痛い
肉刺
(
まめ
)
」を、ぐいと踏んづけなすった。
かもめ:――喜劇 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
カピ長 (ロミオの一群に)ようこそ、
方々
(
かた/″\
)
!
肉刺
(
まめ
)
で
患
(
なや
)
んで
居
(
を
)
らん
婦人
(
ふじん
)
は、
何
(
いづ
)
れも
喜
(
よろこ
)
んで
舞踏敵手
(
おあひて
)
になりませうわい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
さうして
針
(
はり
)
の
先
(
さき
)
でおつぎの
湯
(
ゆ
)
から
出
(
で
)
たばかりで
軟
(
やはら
)
かく
成
(
な
)
つた
手
(
て
)
の
肉刺
(
まめ
)
をついて
汁液
(
みづ
)
を
出
(
だ
)
して
其處
(
そこ
)
へそれを
貼
(
は
)
つて
遣
(
や
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
肉刺
(
まめ
)
が出來てはつぶれ、出來てはつぶれして、手の平の皮が次第に厚くなつて來た。もうぢき、平氣で素手で
燠
(
おき
)
をつかむといふやうなことにもなるだらう。
生活の探求
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
▼ もっと見る
夢見心地でぼんやりと私は、
肉刺
(
まめ
)
のできた足を引き
摺
(
ず
)
っていましたが、その姿が哀れだったのかも知れません。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
可愛らしい
掌
(
て
)
を
肉刺
(
まめ
)
だらけにして、火の粉の中を漕ぎ抜けたあの女——継の当った木綿物を着ているくせに、名香の匂いを持った不思議な娘、野蛮な情熱と
奇談クラブ〔戦後版〕:12 乞食志願
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ボートを岸へつけて、二人は上流の
叢
(
くさむら
)
に腰を下した。漕ぎ疲れた太平は全身がだるく、きしんでゐた。彼の掌は
肉刺
(
まめ
)
が破れ、血と泥が黒くかたまりついてゐた。
外套と青空
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
長袖
(
ながそで
)
の
足
(
あし
)
にも
肉刺
(
まめ
)
の
出來
(
でき
)
ることはあるまいと
思
(
おも
)
つて、
玄竹
(
げんちく
)
は
殆
(
ほと
)
んど二十
年
(
ねん
)
振
(
ぶ
)
りで
草鞋
(
わらぢ
)
を
穿
(
は
)
いたのであつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
それで二日もやっていると、鎌を持つ右の手の薬指の附根に
肉刺
(
まめ
)
をこしらえてしまった。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
肩に
引掛
(
ひきかけ
)
若き女は上に
浴衣
(
ゆかた
)
を
覆
(
おほ
)
ひたれども下には
博多縮緬
(
はかたちりめん
)
の小袖を二枚着し
小柳
(
こやなぎ
)
に
縫模樣
(
ぬひもやう
)
ある帶を
締
(
しめ
)
兩褄
(
りやうづま
)
を
取揚
(
とりあげ
)
緋
(
ひ
)
の
蹴出
(
けだし
)
を
顯
(
あら
)
はし
肉刺
(
まめ
)
にても
蹈出
(
ふみだ
)
せしと見えて竹の
杖
(
つゑ
)
を
突
(
つき
)
ながら足を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
江戸者ちゅう者は歩きつけねえから旅へ出ると
意気地
(
いくじ
)
はねえ、
私
(
わし
)
も宿屋にいますが、時々客人が
肉刺
(
まめ
)
エ踏出して、
吹売
(
ふきがら
)
に
糊付板
(
のりつけいた
)
を持って
来
(
こ
)
うてえから、
毎
(
いつ
)
でも糊板を持って行くだが
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私は慣れぬ仕事で掌にできた
肉刺
(
まめ
)
をなでながら、自分にもなにかがつくれるという喜びをかすかに感じた。それは遠いところからきた暗示のように、かすかに私に囁きかけた。なにかがつくれる。
犬の生活
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
旅の初日に出た
肉刺
(
まめ
)
は、二日や、三日で癒らねえし、その脚じゃあ、今日、当り前なら六里歩けるところが、無理なすったため、半分歩きゃあ、又へたばっちまいますぜ——又蔵さん、いい齢をして
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
肉刺
(
まめ
)
なんぞ
出
(
で
)
たらば
出
(
で
)
たつておとつゝあげいふもんだ、
他人
(
ひと
)
のげなんぞ
見
(
み
)
せたりなにつかするもんぢやねえ、
汝等
(
わツら
)
なんにも
知
(
し
)
らねえから
仕
(
し
)
やうねえ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
……(婦人連に對ひ)あァ、はァ、
姫御前
(
ひめごぜ
)
たち!
舞踏
(
をど
)
るを
否
(
いや
)
ぢゃと
被言
(
おしゃ
)
る
仁
(
ひと
)
があるか?
品取
(
ひんど
)
って
舞踏
(
をど
)
らッしゃらぬ
仁
(
ひと
)
は、
誓文
(
せいもん
)
、
肉刺
(
まめ
)
が
出來
(
でき
)
てゐるンぢゃらう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「まだ諦らめきれないやうですよ。今度は大膳坊を呼んで來て、一と揉み
祷
(
いの
)
らせて見るといふ張りきりで、いやもう、儲けたのは
肉刺
(
まめ
)
が三つ。こいつは近頃の大笑ひぢやありませんか」
銭形平次捕物控:306 地中の富
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
肉刺
(
まめ
)
をでかして、歩けなくなるんぢやないかね?」
麓
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
百姓
(
ひやくしやう
)
にしては
比較的
(
ひかくてき
)
小
(
ちひ
)
さな
手
(
て
)
は
腫
(
は
)
れたかと
思
(
おも
)
ふ
程
(
ほど
)
ぽつりと
膨
(
ふく
)
れて、どれ
程
(
ほど
)
樫
(
かし
)
の
柄
(
え
)
を
攫
(
つか
)
んでも
決
(
けつ
)
して
肉刺
(
まめ
)
を
生
(
しやう
)
ずべき
手
(
て
)
でないことを
明
(
あきら
)
かに
示
(
しめ
)
して
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
“肉刺”の解説
肉刺(まめ)は手や足にできる水疱(水ぶくれ)で、医学的には外傷性水疱(がいしょうせいすいほう)とも呼ばれている。皮膚に摩擦などの機械的刺激が加わることで生じる水疱のこと。靴ずれでも同じ原理で生じる。
(出典:Wikipedia)
肉
常用漢字
小2
部首:⾁
6画
刺
常用漢字
中学
部首:⼑
8画
“肉”で始まる語句
肉
肉体
肉桂
肉塊
肉汁
肉體
肉叉
肉身
肉置
肉食