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まこと
ふりがな文庫
“
誠実
(
まこと
)” の例文
旧字:
誠實
磯五という人は、女の口に口を当てて、
誠実
(
まこと
)
を吸い取りながら、心で他の女のことを考えている、恐ろしい人だと思った。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そういう場合にはやむを得んけれども、今日はもはやその必要はない。ネパール大王が私を信じなければまた他に
誠実
(
まこと
)
の方法を求むる外はない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
權「えゝい、
其様
(
そん
)
なことを云ったって、
今日
(
こんにち
)
誠実
(
まこと
)
を照す世界に神さまが有るだから、まア
私
(
わし
)
が言うことを聞け」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
数日も前から、寝もやらずに、奉公の
誠実
(
まこと
)
を尽して、この朝、
大賓
(
たいひん
)
の為に清掃して居並んだ主君も、その家臣も、不安の底に沈んだように、色を失ってしまった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
我図らずも十兵衛が胸に
懐
(
いだ
)
ける無価の宝珠の微光を認めしこそ縁なれ、こたびの
工事
(
しごと
)
を彼に
命
(
いいつ
)
け、せめては少しの
報酬
(
むくい
)
をば彼が
誠実
(
まこと
)
の心に得させんと思われけるが
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
われ
斯
(
かく
)
のごとき人のために誇らん、然れど我が為には弱き事のほか誇るまじ。もし自ら誇るとも我が言うところ
誠実
(
まこと
)
なれば、愚かなる者とならじ。然れど之を
罷
(
や
)
めん。
パウロの混乱
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
過ぐる三年、罪過の苦痛に悩まされつづけた岸本のたましいはしきりに不幸な
姪
(
めい
)
を呼んだ。その時になって初めて彼は節子に対する自分の
誠実
(
まこと
)
を意識するように成った。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
せめては少しの
報酬
(
むくい
)
をば彼が
誠実
(
まこと
)
の心に得させんと思はれけるが、不図思ひよりたまへば川越の源太も此工事を殊の外に望める上、彼には本堂
庫裏
(
くり
)
客殿作らせし因みもあり
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
今や人間界の
煩悩
(
ぼんのう
)
の雲が
正
(
まさ
)
に我が心の
誠実
(
まこと
)
を
遮
(
さえぎ
)
ろうとして居るけれども、我はいかに不成功の不運に遇うとも
真実
(
まこと
)
を守る我が心を変えじと決心致した嬉しさにまた一首浮びました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
岸本が自分と節子との結びつきをおろそかに考えないように成ったのも、彼女に対する自分の
誠実
(
まこと
)
を意識するように成って行ったのも、この
悲哀
(
かなしみ
)
に打たれた後から起きて来たことを思い出した。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
久しく我等を賤みたり、我等に捧ぐべき筈の定めの
牲
(
にへ
)
を忘れたり、這ふ代りとして立つて行く狗、
驕奢
(
おごり
)
の
塒
(
ねぐら
)
巣作れる
禽
(
とり
)
、
尻尾
(
しりを
)
なき猿、物言ふ蛇、露
誠実
(
まこと
)
なき狐の子、
汚穢
(
けがれ
)
を知らざる
豕
(
ゐのこ
)
の
女
(
め
)
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
恥じても恥じても恥じ足りないように思った道ならぬ関係の底からこれだけの
誠実
(
まこと
)
が
汲
(
く
)
めるということは、岸本の
精神
(
こころ
)
に勇気をそそぎ入れた。そこから彼は今まで知らなかったような力を
掴
(
つか
)
んだ。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
久しく我らを
賤
(
いや
)
しみたり、我らに
捧
(
ささ
)
ぐべきはずの定めの
牲
(
にえ
)
を忘れたり、
這
(
は
)
う代りとして立って行く
狗
(
いぬ
)
、
驕奢
(
おごり
)
の
塒巣
(
ねぐら
)
作れる
禽
(
とり
)
、尻尾なき猿、物言う蛇、露
誠実
(
まこと
)
なき狐の子、
汚穢
(
けがれ
)
を知らざる
豕
(
いのこ
)
の
女
(
め
)
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
“誠実(誠実性)”の解説
誠実性(せいじつせい、en: Conscientiousness)とは、注意深く、勤勉であるという性格特徴のことである。
(出典:Wikipedia)
誠
常用漢字
小6
部首:⾔
13画
実
常用漢字
小3
部首:⼧
8画
“誠”で始まる語句
誠
誠心
誠意
誠實
誠忠
誠吾
誠惶誠恐
誠仁
誠園
誠壮