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信
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まこと
ふりがな文庫
“
信
(
まこと
)” の例文
六九
古郷
(
ふるさと
)
に捨てし人の
消息
(
せうそこ
)
をだにしらで、
七〇
萱草
(
わすれぐさ
)
おひぬる
野方
(
のべ
)
に長々しき年月を過しけるは、
七一
信
(
まこと
)
なき
己
(
おの
)
が心なりける物を。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
信
(
まこと
)
に女親の心は、娘の身の定りて、その家栄え、その身安泰に、しかもいみじう出世したる姿を見るに増して楽まさるる事はあらざらん。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
辰めが一生はあなたにと熱き涙
吾
(
わが
)
衣物
(
きもの
)
を
透
(
とお
)
せしは、そもや、
嘘
(
うそ
)
なるべきか、新聞こそ
当
(
あて
)
にならぬ者なれ、
其
(
それ
)
を
真
(
まこと
)
にして
信
(
まこと
)
ある女房を疑いしは
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
朋友
(
ともだち
)
に
信
(
まこと
)
ある事人も
恥
(
はづ
)
べき事也、しかるを心なき
徒
(
ともがら
)
かの
糞
(
ふん
)
をたづねありき、
代見立
(
しろみたて
)
の
糞
(
ふん
)
あればかならず
種々
(
しゆ/″\
)
の
術
(
じゆつ
)
を
尽
(
つく
)
して雁のくるをまちて
捕
(
とら
)
ふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「
昨日
(
きのう
)
の雨のやどりの御恵に、
信
(
まこと
)
ある
御方
(
おんかた
)
にこそとおもう物から、今より
後
(
のち
)
の
齢
(
よわい
)
をもて、
御宮仕
(
おんみやづかえ
)
し奉らばや」と云った。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
(五) 子曰く、千乗の国を
導
(
おさ
)
(治)むるには、事を
敬
(
つつし
)
んで
信
(
まこと
)
あり、用を節して人を愛し、民を使うに時をもってせよ。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
磯屋に寄せているおせい様の純真な愛と
信
(
まこと
)
が、あまりにいたましくて、口まで出かかっても、いえないでいるのである。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
仮令
(
たとい
)
お手紙を上げたとて、
虚
(
うそ
)
が
信
(
まこと
)
になりもせず、涙をどれ程
注
(
そそ
)
いでも死んだものが生き戻りはいたしますまい。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
かつ今年の冬のごとき、いまだ関西の卒を
休
(
や
)
めず。県官急に租を
索
(
もと
)
むるも、租税いずれよりか出でん。
信
(
まこと
)
に知る男を生めば悪しきを。かえってこれ女を生むは好し。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
容貌も亦美し、
絶
(
はなは
)
だ美しと傳へらる。汝は筆を載せて從ひ來よ。若し世人の言半ば
信
(
まこと
)
ならんには、汝が「ソネツトオ」の
工
(
たくみ
)
を盡すも、これに贈るに堪へざらんとす。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
助くる
術
(
すべ
)
は無きことか、と
頼母
(
たのも
)
しき人々に、一つ
談話
(
ばなし
)
にするなれど、聞くもの誰も
信
(
まこと
)
とせず。思い詰めて警察へ訴え出でし事もあれど、狂気の沙汰とて取上げられず。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
かれ朝目
吉
(
よ
)
く汝取り持ちて天つ神の御子に獻れと、のりたまひき。かれ夢の教のまにま、
旦
(
あした
)
におのが倉を見しかば、
信
(
まこと
)
に
横刀
(
たち
)
ありき。かれこの横刀をもちて獻らくのみ
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
人の噂をなかば偽りとみるも、この事のみは
信
(
まこと
)
なりと源叔父がある夜酒に呑まれて語りしを聞けば、彼の年二十八九のころ、春の
夜
(
よ
)
更
(
ふ
)
けて
妙見
(
みょうけん
)
の
燈
(
ともしび
)
も消えし時、ほとほとと戸たたく者あり。
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
キリストとを比較せんことは少しく不倫の嫌あればなり、而れども吾人は爰に確乎たる信用を以て、イヱス、キリストの人品は
信
(
まこと
)
に世界の師範として仰ぐに足るべきものなることを敢言せんとす
英雄論:明治廿三年十一月十日静岡劇塲若竹座に於て演説草稿
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
君が名、我が詩、不滅の
信
(
まこと
)
とも
詩
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
僅かに夢に見えつるその
信
(
まこと
)
を
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
まつろはず、
信
(
まこと
)
なき
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
縁起などいうものは多く
真
(
まこと
)
とし難きものなれど、偽り飾れる疑ありて
信
(
まこと
)
とし難しものの端々にかえって信とすべきものの現るる習いなることは
知々夫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
(六) 子曰く、弟子入りては則ち孝、出でては則ち弟(悌)、
謹
(
つつし
)
みて
信
(
まこと
)
あり、汎く衆を愛して仁に親しみ、行ない余力あれば則ち以て文を学べ。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
その翌々日なりき、宮は貫一に勧められて行きて医の診察を受けしに、胃病なりとて
一瓶
(
いちびん
)
の
水薬
(
すいやく
)
を与へられぬ。貫一は
信
(
まこと
)
に胃病なるべしと思へり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
呉侍御は朱の言葉を
信
(
まこと
)
にできないので訴えた。郡守は朱の家の者を捕えて詮議をしたが、皆朱の言ったと同じ申立てであるから、どうすることもできなかった。
陸判
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
老母あはれみて
四四
をさなき心を
肯
(
う
)
け給はんや。左門
歓
(
よろこ
)
びに
堪
(
た
)
へず。母なる者常に我が孤独を
憂
(
うれ
)
ふ。
信
(
まこと
)
ある
言
(
ことば
)
を告げなば、
齢
(
よはひ
)
も
延
(
の
)
びなんにと、
伴
(
ともな
)
ひて家に帰る。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
然れどもその功に報いずは、
信
(
まこと
)
無しといふべし。既にその信を行はば、かへりてその心を
恐
(
かしこ
)
しとおもふ。かれその功に報ゆとも、その
正身
(
ただみ
)
一六
を滅しなむと思ほしき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
そこで、草原へ
蹲
(
しゃが
)
み込んで、
信
(
まこと
)
にはなさりますめえけんど、と嘉吉に
蒼
(
あお
)
い
珠
(
たま
)
授けさしった……
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「紀州を家に伴えりと聞きぬ、
信
(
まこと
)
にや」若者の一人、何をか思い
出
(
いで
)
て問う。
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
まつろはず、
信
(
まこと
)
なき
新頌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
我聞く、犯罪の底には必ず女有りと、
若
(
も
)
し
信
(
まこと
)
なりとせば、彼は
正
(
まさし
)
く
彼女
(
かのをんな
)
ゆゑに
如何
(
いか
)
なる罪をも犯せるならんよ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
姨の
女
(
むすめ
)
の
阿松
(
おまつ
)
は年が十七で、そんなに悪い女じゃないのです、もし
信
(
まこと
)
にできないなら、阿松が毎日
園亭
(
あずまや
)
にくるのです、その前に待ってて、御覧になったらどうです
嬌娜
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
伯氏
(
あに
)
は菊花の
約
(
ちかひ
)
を重んじ、命を捨てて百里を
来
(
こ
)
しは
信
(
まこと
)
ある
極
(
かぎり
)
なり。士は今尼子に
媚
(
こ
)
びて
一三六
骨肉
(
こつにく
)
の人をくるしめ、此の
一三七
横死
(
わうし
)
をなさしむるは友とする
信
(
まこと
)
なし。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
昌黎
(
しやうれい
)
信
(
まこと
)
とせず、
審
(
つまびらか
)
に
其
(
そ
)
の
仔細
(
しさい
)
を
詰
(
なじ
)
れば、
韓湘
(
かんしやう
)
高
(
たか
)
らかに
歌
(
うた
)
つて
曰
(
いは
)
く、
青山雲水
(
せいざんうんすゐ
)
の
窟
(
くつ
)
、
此
(
こ
)
の
地
(
ち
)
是
(
こ
)
れ
我
(
わ
)
が
家
(
いへ
)
。
子夜
(
しや
)
瓊液
(
けいえき
)
を
飱
(
そん
)
し、
寅晨
(
いんしん
)
降霞
(
かうか
)
を
咀
(
くら
)
ふ。
琴
(
こと
)
は
碧玉
(
へきぎよく
)
の
調
(
てう
)
を
彈
(
たん
)
じ、
爐
(
ろ
)
には
白珠
(
はくしゆ
)
の
砂
(
すな
)
を
煉
(
ね
)
る。
花間文字
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
(五)と(六)とに分ける孔子の語は、明らかに
信
(
まこと
)
と愛とを人倫の道の中枢とするのであって単に家族道徳を説くのではない。(七)の子夏の語に至るとよほど五倫の思想に近づいて来る。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
かれ告りたまへるまにまにして、かく
設
(
ま
)
け備へて待つ時に、その
八俣
(
やまた
)
の
大蛇
(
をろち
)
、
信
(
まこと
)
に言ひしがごと來つ。すなはち船ごとに
己
(
おの
)
が頭を乘り入れてその酒を飮みき。ここに飮み醉ひて留まり伏し寢たり。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
“信”の解説
信(しん)は、一般的には真実で偽りのないこと。信用。信仰。宗教・倫理の分野においてさまざまに用いられる。
(出典:Wikipedia)
信
常用漢字
小4
部首:⼈
9画
“信”を含む語句
音信
信天翁
信号
書信
信用
通信
信太
信實
自信
信州
信実
忠信
信濃路
信者
信義
基督教信者
信条
基督信者
信心者
信吉
...