“肯”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
43.4%
うなず19.8%
がえん10.3%
がえ7.3%
うけが5.1%
うべな2.6%
うなづ1.8%
がへん1.6%
うけ1.4%
あえ1.2%
(他:28)5.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“肯”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸30.6%
文学 > 中国文学 > 小説 物語20.8%
文学 > 日本文学 > 小説 物語10.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
「ええ、めっそうな、しかし申しわけのためばかりに、そのことも申しましたなれど、いっこうおき入れがござりませんので」
夜行巡査 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そしてね、父さんはね、私や母様の云う事は、それは、憎らしくってよ、ちっともかないけれど、人が来て頼むとねえ、何でも
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「うむ、僕は満足です。貴女なら、きっとうまくやるだろう」と、帆村はもとの冷い顔になって、しきりにひとりでうなずいて、
什器破壊業事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そして、野本氏が一層蒼ざめて、歯を食いしばっているのを知ると、満足らしくうなずいて、話を最も肝要な点に進めて行った。
恐ろしき錯誤 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その時になって外人も備前藩の兵でないだけは諒解りょうかいしたが、しかしこの地の占領を解くことを断じてがえんじない。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼はそれらの不評に屈服することをがえんじないで、ますます進んでその活歴なるものを観客に紹介しようと試みたのである。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ただ蘇武一人は降服をがえんじないばかりか、はずかしめを避けようとみずから剣を取っておのが胸を貫いた。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
なんとなれば、その犯行は奇想天外にして識者の常識をがえんぜしめず、むしろ余に対して誣告の誹を発せしむる憾みあるからである。
風博士 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
元治がんじ元年に京都で暗殺された佐久間象山の門生が二人——ちょうどこの宿屋に泊り合せていたのがうけがいません。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
いざ汝して知るべし、人うけがひて神また肯ひかくして誓ひ成るならんには、そのいととほときものなることを 二五—二七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
うべなふべき時にてもまたいなむべき時にても、彼と此とを別たずしてしかする者はいみじき愚者にほかならず 一一五—一一七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そのことも思い出されたが、あの作品に対して作者の態度にそういう立て前があってのこととは当時もうべなわれなかった。
文学と地方性 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
彼は一つうなづくと素早すばやく、西湖せいこを望む窓辺に駈けより、重い花壜かびん※止はっしとなげつけた。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
平次が妾のお源の神妙らしく取繕とりつくろつた顏をかへりみると、お源は少しあわてて、大きくうなづきました。平次の推理には一點の隙もありません。
造化ネーチユアは人間を支配す、然れども人間も亦た造化を支配す、人間の中に存する自由の精神は造化に黙従するをがへんぜざるなり。
内部生命論 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
又何かと老芸術家の心に思ひ出も深い家であるから立退たちのく事をがへんぜずに今日けふまで住んで居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
めた結果としてそう思うんです」と答えた時の私には充分の自信があった。その自信を先生はうけがってくれなかった。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかもその甲なら甲の形なり程度なり色合いろあいなりが、ぴたりと兄さんの思う坪にはまらなければうけがわないのです。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
父忠兵衛も牧も、少女の意のす所をさとっていたが、父ははばかってあえて制せず、牧はおそれて咎めることが出来なかった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
劇作家または小説家としては縦令たとい第二流を下らないでも第一流の巨匠でなかった事をあえて直言する。
鴎外博士の追憶 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
そして院主をしてあへて財を投じて此稀有けう功徳くどくを成さしめたのは、實に師岡氏未亡人石が悃誠こんせいの致す所である。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
たま/\榛軒が事あつて父の未だ起たざるに出で去ることがあると、蘭軒は甘んじて塵埃中に坐して、あへて三子柏軒をして兄に代らしめなかつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
文学といふ女神は、或は老嬢ヲールド・ミツスにて世を送ることあるも、卑野なる神に配することをがへんぜざるべければなり。
人生に相渉るとは何の謂ぞ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
さればさしづめおあかの方は、一郎が母となりし訳なれど、稚きより剛気の一郎、なかなかこれを母と呼ぶをがへんぜず。
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
千種が、伸びあがるやうにして最後の挨拶を送つた。千久馬は、それに応へる代りに、大きくうなづいてみせた。
双面神 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
お重は明らかにあによめを嫌っていた。これは学究的に孤独な兄に同情が強いためと誰にもうなずかれた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
穏坊をんばう畜生ちくしやう此方こつち這入はいつやアがるときかねえぞ、無闇むやみ這入へいりやアがるとオンボウいて押付おつつけるぞ。
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
わたしうしてもうと決心けつしんしてるのだからそれは折角せつかくだけれどきかれないよとふに、きちなみだつめて
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
癩坊主かったいぼうずが、ねだり言をうけごうて、千金の釵を棄てられた。その心操こころばえに感じて、些細ささいながら、礼心にと内証の事を申す。貴女あなた、雨乞をなさるがい。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
癩坊主かったいぼうずが、ねだりごとうけごうて、千金せんきんかんざしてられた。其の心操こころばえに感じて、些細ささいながら、礼心れいごころ内証ないしょうの事を申す。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
アヘ降服マツロヒ、於茲遣兵掩滅
倭女王卑弥呼考 (旧字旧仮名) / 白鳥庫吉(著)
アヘて一致とはいはない。
和歌批判の範疇 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
彼はそれを、或はすかし、或はおどし、色々に骨折って、三十分ばかりの間も、口をすっぱくして口説くどいた上、とうとう、半ば威圧的に、彼女をうなずかせて了いました。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
藤井氏は陸軍軍医正、たまき女史は音楽学校助教授、二氏の職業はかように明白ですが、二氏が趣味の人であるかどうかと申す事が明白でない以上、この離婚が趣味の衝突に起因したとはうべなわれません。
離婚について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
「それはくまい、三百年来の徳川政権を無条件で奉還する、いくら内憂外患頻発ひんぱつの世の中とはいえ、一戦も交えずして政権を奉還する、そんなことは将軍職としてやれまい、将軍職としてはやれても、臣下ががえんずるということはあるまい、夢だ、空想だ、策士の策倒れだよ」
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ちょうど雨が窓を打つ音をきいたので、細君はどうぞうちにいてくれと願ったが、泣かんばかりに願ったがきき入れないで、大きな雨外套に身を包んでそのまま出ていってしまった。
「ところで、變つて居るのは、この三軒は恐ろしく仲が惡い。大澤傳右衞門は他の二軒を虫ケラのやうに言ふし、ケチ兵衞などはお隣りのくせに、合長屋へは百も貸さない。半次はうるさいから、顏をそむけて通るといふ鹽梅あんべえ、これぢや仲良くなりつこはありませんね」
併し本人はもとより彼等の周圍に、その處斷をウベナはぬ蒙昧な人々がゐる。
人間悪の創造 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)