“きく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
26.4%
22.4%
規矩21.8%
8.0%
危懼6.3%
崎嶇5.2%
1.7%
1.1%
0.6%
企救0.6%
喜句0.6%
0.6%
奇駒0.6%
峗嶇0.6%
承知0.6%
0.6%
0.6%
菊花0.6%
0.6%
起句0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ぢやあそのきくやうとおもつて学校がくかうへおいで。はなにはね、ものをいはないからみゝこえないでも、そのかはりにはうつくしいよ。」
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
技巧すこぶる幼稚なれども、亦きくす可き趣致なしとせず。下巻も扉に「五月中旬鏤刻也」の句あるを除いては、全く上巻と異同なし。
奉教人の死 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
彼の生活は、急激な反動の連続——極端から極端への飛躍の連続だった。あるいは、非人間的禁欲主義の規矩きくに生活を押込もうとした。
先頃もお手飼にちんが欲しいと夫人の御意、きくよりも早飲込み、日ならずして何処でもらッて来た事か、狆の子一ぴきを携えて御覧に供える。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「いま『嫌な奴』と取組みはじめた作家たちが、もし『嫌な奴』に負けてしまったなら、どのような事が起るだろう」と我知らず洩されている片岡氏の危懼きく
自分で自分のする悲劇を観察し批判し、われとわが人生の崎嶇きくを味わいみるのも、また一種の慰藉にならぬでもない。
去年 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
悪人を探す為に善人を迄も疑い、見ぬ振をしてぬす、聞かぬ様をして偸みきく、人を見れば盗坊どろぼうと思えちょうおそろしき誡めを職業の虎の巻とし果は疑うにとまらで
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
曰ク第一局ハ訟ヲ聴キ獄ヲきくシ捕亡ヲ督スルコトヲつかさどル。曰ク第二局ハ戸口ヲ正シ租税ヲ督シ出納ヲ算シ物産ヲ殖シ廨舎橋梁堤防ヲ修ルコトヲ掌ル。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
イエ九助の正直しやうぢきなる事は村中の譽者にて誰知らぬ人も御座りませぬと云を理左衞門又おのれ口をきく糺明きうめいを云付るぞとおどせば周藏は吃驚し老人の事故ふるへ居るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
きくに物事能分別し太七を船乘ふなのりにして船を補理こしらへ名を勘兵衞とあらためさせ其頃そのころ名高なだかき女にありしとかや
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「無学文盲は困るて。それは、大学、喜句きくの章だ」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
過去と未来がきくしく交響する、哈爾賓ハルビンはいつもたそがれの街だ。
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
本字で(奇駒きく)とよませたのだそうでありましたが、いや何しろ——手綱染たづなぞめ花片はなびらの散った帯なにかで、しごきにすずをけて、チリリン……もの静かな町内を
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
イマダレズ。従者皆襏襫はっせき穿うがツ。山重リ嶺かさなリ、道路峗嶇きくタリ、くわうルニ連日ノ雨ヲ以テス。泥濘滑澾でいねいかったつ、衆足ヲ失センコトヲ恐レ次ヲ乱シ地ヲえらビテ行ク。ナホ往往ニシテ顛倒てんとうス。渾身こんしん塗ヲ負フ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
承知きくか、それとも断わるか、俺の云うこと、どうだどうだ! もしも」と云うとピョンピョンと、二足ばかり飛び出したが
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ねぶりて居られたりと昔し足利家の御世みよ名奉行めいぶぎやうと世にたゝへたる青砥あをと左衞門尉藤綱も訴訟うつたへきく時は必らず目を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
きくべし當座のなぐさみものには是にてもなきにはましならんと或時お兼をとらへて樣々に口説くどきつひに無理往生わうじやうに本望を遂げるに此女おろか者なれば段々吾助にあざむかれ折々忍びあひける内何時いつしかはらに子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「行っていらっしゃいませ」妻の声をうしろに、まがき菊花きくに眼をやりながら、我がの門を出ると
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きくや、ぐ現はれたのがしづであつた。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
まず、ひとりが起句きくを詠むと、次の者が脇句わきくをつける。また受けて前句まえくを出すと、他の者が下の句を附けてゆく。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)