きく)” の例文
旧字:
再び高いはしごに昇って元気よく仕事をしていた。松の枝が時々にみしりみしりとたわんだ。その音をきくごとに、私は不安にたえなかった。
二階から (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
悪人を探す為に善人を迄も疑い、見ぬ振をしてぬす、聞かぬ様をして偸みきく、人を見れば盗坊どろぼうと思えちょうおそろしき誡めを職業の虎の巻とし果は疑うにとまらで
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
さて狐く氷をきくいふ事、酉陽雑俎いうやうざつそに見ゆ。こは本朝にても今猶諏訪すは湖水こすゐは狐わたりしをて人わたりはじむ、和漢わかん相同じ。狐の火をせつはさま/″\あれどみなうけがたし。