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崎嶇
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きく
ふりがな文庫
“
崎嶇
(
きく
)” の例文
わざと往き来の淋しい
崎嶇
(
きく
)
たる
岨道
(
そばみち
)
を、
八瀬
(
やせ
)
の方へ辿って行った千手丸の後姿が、夜な/\彼の夢の中で、小さく/\遠くへ消えた。
二人の稚児
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
自分で自分のする悲劇を観察し批判し、われとわが人生の
崎嶇
(
きく
)
を味わいみるのも、また一種の慰藉にならぬでもない。
去年
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
先に立った
足健康
(
あしまめ
)
の従者が高く振りかざす松火の光で、
崎嶇
(
きく
)
たる山骨を僅に照らし、人馬物言わず真向きに走る。
稚子法師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ある松はわずか六尺しか丈はなかったが、
侏儒
(
こびと
)
のようにいじめつくされた枝と幹ばかりが太くなり、不具者のような形態が
崎嶇
(
きく
)
として枝をまじえていた。
生涯の垣根
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
汝は峻険
崎嶇
(
きく
)
たる山径を
攀
(
よ
)
じ、至高の地帯に登りて、武士の最高なる者を見んとする乎。
武士道の山
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
▼ もっと見る
朝夕の霧の中から浮び上る丘々や、その上に
屹然
(
きつぜん
)
として聳える古城郭から、遥か聖ジャイルス教会の鐘楼へかけての
崎嶇
(
きく
)
たるシルウェットが、ありありと眼の前に浮かんで来た。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
そこを、やっと抜けでて西康省に入ればいよいよ
崎嶇
(
きく
)
をかさねる
西域夷蛮地帯
(
シフアン・テリトリー
)
の山々。
人外魔境:03 天母峰
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
岳山重畳の果、山道
崎嶇
(
きく
)
の奥に、それが見付け出されそうな気がします。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
一つの
路
(
みち
)
は
崎嶇
(
きく
)
たる
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
崎
常用漢字
小4
部首:⼭
11画
嶇
漢検1級
部首:⼭
14画
“崎”で始まる語句
崎
崎陽
崎尹
崎岠
崎平
崎川橋
崎山正毅
崎陽客次