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きけ
兎
狩いたし候處、
勝たる散歩に相叶、洋醫も大に悦び、雨
降には劒術をいたし候
歟、又は角力を取候
歟、何
歟右等の
力事をいたし候樣申
聞候得共、是は相
調不
レ申段相答候へば
其江戸の元日を
聞ば
縉紳朱門の
㕝はしらず、
市中は千
門万
戸千歳の松をかざり、
直なる
御代の竹をたて、太平の
七五三を引たるに、
新年の
賀客麻上下の
肩をつらねて
往来するに万歳もうちまじりつ。
叱る事は持前なれども表へ出ては口の
利る大屋に非ず
殊に寄たら當人へ
泄して
迯すも知れざれば彦兵衞殿の家主八右衞門殿を
頼み名主の玄關へ
掛り
勿々手間取て
埓明まじ殊に十五歳の彦三郎江戸
不案内と
云公邊には
馴ず又證人の權三助十共明白に口の
利る者に非ず品に
寄と皆々入牢にもなり
理有て罪に
陷る事も
有べしと
思慮し因て斯く計ふ時は