“きい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キイ
語句割合
21.5%
21.5%
紀伊16.3%
奇異11.9%
5.2%
忌諱5.2%
3.0%
1.5%
1.5%
1.5%
1.5%
毅一0.7%
0.7%
0.7%
城井0.7%
基肄0.7%
歸依0.7%
着好0.7%
紀井0.7%
0.7%
0.7%
貴意0.7%
鍵盤0.7%
0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
誠に冥土めいどの人にあったような気がして、ソレカラいろ/\な話をきいて、清水と一緒になったと云うことも分れば何もわかっ仕舞しまった。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
午食前ひるめしまえに、夫妻鶴子ピンを連れて田圃に摘草つみくさに出た。田のくろの猫柳が絹毛きぬげかつぎを脱いできいろい花になった。路傍みちばた草木瓜くさぼけつぼみあけにふくれた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「これは城下の茗荷みょうが屋文左衛門という呉服屋の娘で、名はよの、年は十七です、うちでは紀伊きいと呼びますから、あなたもそう呼んで下さい」
女は同じ物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
けだし一由旬いちゆじゆん異国いこくの四十里なり、十二由旬ゆじゆんは日本道六十六里なり。一尺六寸の玉六十六里四方を照すは奇異きいといふべし。
「今日はね河岸かしへ大層着いたそうで、まぐろあたらしいのがあるからおすきな赤いのをと思ってきいちゃんを一人ぼっちにして、角の喜の字へくとね、帰りがけにお前、」
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
山県大弐の学説は幕府の忌諱きいに触れる点が多く、おまけに不穏なことを企んでいるなどという噂もあるので、ひそかに探索が廻っているという状態だそうだ
夜明けの辻 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
それでもせんだってまでは日本人が一人おった。この先生はすこぶる陽気な人でこんな家には向かない。我輩がほととぎすを読んでいるのを見て、君も天智天皇の方はやれるのかいときいた男だ。
倫敦消息 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「旦さん、この仲居さんはまだ新米だすさかい、きいのきかんところはかんにんしておくんなはれ。」
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
得たれば江戸風えどふうに氣がきいて居るとか云れて評判ひやうばんよく少光陰わづかの中に仕出して段々だん/\普請ふしん建直たてなほし今にては勿々なか/\立派りつぱなる身上しんしやうになりしといふ金毘羅こんぴらへ行たる者が歸りてのはなしなり丸龜にて江戸屋清兵衞と云ば一番の旅宿はたごやだと云事なればよろこ旁々かた/″\たづね度は思ひしか共五日や十日にては
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
きいどんの喜市はとても芝居好きで相撲狂でありました。彼は本郷から赤坂麹町までおろしの配達に出ましたが、帰りには必ず神田の三崎町を通り、三崎座をのぞくことにきめていました。
「すこしきいもらってもいいかあ。」
狼森と笊森、盗森 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「もらい物ですが、毅一きいさんとみいちゃんに。まだ学校ですか、見えませんねエ。ああ、そうですか。——それからこれはこまさんに」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
中将もやおらたいを起こして「どれそこまで運動かたがた、なにそこまでじゃ、そら毅一きいみいも運動に行くぞ」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
そこで婆は地蔵さんに、『地蔵さん地蔵さん、豆が転がってきいえんか』と尋ねますと、地蔵さんが、おれ喰ってしまったとお返事を
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
豆さ転がってきいえんかと尋ねたが、地蔵さんは何とも返事をしないのに、慾タカリ婆は勝手に地蔵さんの膝の上へのぼったり、手のひらへ上ったり、肩の上へのぼったり、頭の上へのぼったりして
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
今文三の説話はなしきいて当惑をしたもその筈の事で。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
たとえば下野の宇都宮家が豊前ぶぜん城井きいに新恩の地を貰って行けば城井氏となり、さらにこの家から肥後の内古閑うちのこがに移住して行けば、内古閑氏となった類である。
名字の話 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
肥前の基肄きいの三城を修繕せしめられた記事があります。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
どの宗門に歸依きいしても一向に干渉しなかつた爲で、善智識と呼ばれる大先達自身でも、平常は唯の門徒衆で、寺方のよき壇徒であつたのはまことに面白い呑氣さでした。
村「大層く出来ました、誠に結構……お前のは仕立屋よりかかえって着好きいいと旦那も仰しゃってゞ、誠に好く出来ました、大分色気も好くなったの」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
討手うって追撃ついげきを受けて宮は自害し給い、神器のうち宝剣ほうけんと鏡とは取り返されたが、神璽しんじのみは南朝方の手に残ったので、楠氏越智おち氏の一族さらに宮の御子みこ二方ふたかたほうじて義兵を挙げ、伊勢いせから紀井きい
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
兒玉こだま先程來さきほどらいおほくちひらかず、微笑びせうして人々ひと/″\氣焔きえんきいたが、いま突然とつぜん出身しゆつしん學校がくかうはれたので、一寸ちよつとくちひらなかつたのである。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ふさ奥様おくさんの出る時何とか言つたかい。』と佐山銀之助さやまぎんのすけは茶の間にはひるときいた。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「エーと、右の事情につき、御示しの条件にては、残念ながら貴意きいに添いがたきかと……」
ピアノの鍵盤きいの音までも
月夜 (旧字旧仮名) / 桜間中庸(著)
ソレ故一寸ちょい一目いちもく見た所では——今までの話だけをきいた所では、如何いかにも学問どころの事ではなくただワイ/\して居たのかと人が思うでありましょうが、其処そこの一段に至ては決してうでない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)