きい)” の例文
旧字:
運命です、運命です、う御座います、貴様にお話がないなら僕が話します。僕が話すから聞いて下さい、せめてきいて下さい、僕の不幸ふしあわせな運命を!
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
それでもせんだってまでは日本人が一人おった。この先生はすこぶる陽気な人でこんな家には向かない。我輩がほととぎすを読んでいるのを見て、君も天智天皇の方はやれるのかいときいた男だ。
倫敦消息 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
わたしネ、篠田様のこと思ふと腹が立つ涙が出る、夜も平穏おつちりられないんです、紀念式にも昨夜の演説会にもの通り行らしつて、平生いつもの通りきいてらツしやるでせう、自分がひ出されると内定きまつて
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
う御座います。僕も決して自滅したくは有りません貴様あなたが僕の物話はなし悉皆すっかりきいて、そのうえで僕を救うの策を立てて下さるのなら僕はこのうえもない幸福です。」
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
だから僕は北海道の冬というよりか冬則ち北海道という感が有ったのです。北海道の話をきいても『冬になると……』とこういわれると、身体からだがこうぶるぶるッとなったものです。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)