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ふりがな文庫
“
紀伊
(
きい
)” の例文
もっと微細にわたれば、綱吉将軍のお世つぎに、老公は
甲府
(
こうふ
)
どのをおすすめになり、将軍家のご意中では、
紀伊
(
きい
)
どのを望んでおられた。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「これは城下の
茗荷
(
みょうが
)
屋文左衛門という呉服屋の娘で、名はよの、年は十七です、うちでは
紀伊
(
きい
)
と呼びますから、あなたもそう呼んで下さい」
女は同じ物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
志州
(
ししゅう
)
の
鳥羽
(
とば
)
までは汽車、鳥羽から
紀伊
(
きい
)
のK港までは定期船、それから先は所の漁師にでも頼んで渡して貰う外には、便船とてもないのである。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
其處から𢌞つておいでになつて、
紀伊
(
きい
)
の國のヲの
水門
(
みなと
)
においでになつて仰せられるには、「賤しい奴のために手傷を負つて死ぬのは殘念である」
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
東を見れば、大阪湾をへだてて
紀伊
(
きい
)
半島が、西を見れば
海峡
(
かいきょう
)
をへだてて四国の山々、更に
瀬戸内海
(
せとないかい
)
にうかぶ島々が、手にとるように見渡せるのである。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
わたくしどもは
決
(
けっ
)
して
変化
(
へんげ
)
でも、
鬼
(
おに
)
の
化
(
ば
)
けたのでもありません。
一人
(
ひとり
)
は
摂津
(
せっつ
)
の
国
(
くに
)
から、
一人
(
ひとり
)
は
紀伊
(
きい
)
の
国
(
くに
)
から、
一人
(
ひとり
)
は
京都
(
きょうと
)
に
近
(
ちか
)
い
山城
(
やましろ
)
の
国
(
くに
)
から
来
(
き
)
たものです。
大江山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
いろいろの式があつたあとで、
山野
(
やまの
)
紀伊
(
きい
)
の
守
(
かみ
)
の家老を務めてゐたといふ
髯
(
ひげ
)
の白い老人が、殿様の代理で
硯箱と時計
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
ここで
近畿
(
きんき
)
地方というのは便宜上、京都や大阪を中心に
山城
(
やましろ
)
、
大和
(
やまと
)
、
河内
(
かわち
)
、
摂津
(
せっつ
)
、
和泉
(
いずみ
)
、
淡路
(
あわじ
)
、
紀伊
(
きい
)
、
伊賀
(
いが
)
、
伊勢
(
いせ
)
、
志摩
(
しま
)
、
近江
(
おうみ
)
の諸国を包むことと致しましょう。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
なにしろ
紀伊
(
きい
)
の若様だから余人とちがってすぐさま捕りおさえるわけにもゆかず、一同もてあましていたが、これを聞いた山田奉行の大岡忠右衛門、法は天下の大法である
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
大和
(
やまと
)
・
伊勢
(
いせ
)
・
紀伊
(
きい
)
・
河内
(
かわち
)
・
和泉
(
いずみ
)
がその勢力範囲であって、大和アルプスを
脊椎
(
せきつい
)
とした大山岳地帯全体が海洋に三方を取りまかれて、大城廓をなし、どうにも攻め様がなかったのと
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
一七四七年、
出羽
(
でわ
)
の上の山に生じた三十一ヵ村の百姓一揆も、おなじ種類のものであった。また一八二三年、
紀伊
(
きい
)
の十三万人の百姓のおこした百姓一揆も、おなじ性質のものであった。
天皇:誰が日本民族の主人であるか
(新字新仮名)
/
蜷川新
(著)
障れば絶ゆる
蛛
(
くも
)
の糸のはかない処を知る人はなかりき、七月十六日の
夜
(
よ
)
は何処の店にも
客人
(
きやくじん
)
入込
(
いりこ
)
みて
都々一
(
どどいつ
)
端歌
(
はうた
)
の景気よく、菊の井の
下
(
した
)
座敷にはお
店者
(
たなもの
)
五六人寄集まりて調子の外れし
紀伊
(
きい
)
の
国
(
くに
)
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
兄
権佐清長
(
ごんのすけきよなが
)
は
美濃大垣
(
みのおほがき
)
の城主
氏家広定
(
うぢいへひろさだ
)
の養子になつてゐるうちに、関が原の役に際会して養父と共に
細川忠興
(
ほそかはたゞおき
)
に預けられ、妹
紀伊
(
きい
)
は忠興の世話で、幕府の奥に仕へ、家康の養女
振姫
(
ふりひめ
)
の侍女になつた。
椙原品
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
神倭伊波礼毘古命
(
かんやまといわれひこのみこと
)
は、そこからぐるりとおまわりになり、同じ
紀伊
(
きい
)
の
熊野
(
くまの
)
という村にお着きになりました。するとふいに大きな大ぐまが現われて、あっというまにまたすぐ消えさってしまいました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
紀伊
(
きい
)
の
宮
(
みや
)
樟分
(
くすわけ
)
の
社
(
やしろ
)
に
詣
(
まう
)
づ、
境内
(
けいだい
)
の
樟
(
くす
)
幾千歳
(
いくちとせ
)
、
仰
(
あふ
)
いで
襟
(
えり
)
を
正
(
たゞ
)
しうす。
熱海の春
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
爰
(
こゝ
)
に寶永三年四月
紀伊
(
きい
)
大納言光貞卿
御大病
(
ごたいびやう
)
の處
醫療
(
いれう
)
叶
(
かな
)
はず六十三歳にて
逝去
(
せいきよ
)
まし/\ける此時松平
主税頭
(
ちからのかみ
)
信房卿は御同家
青山
(
あをやま
)
百人町なる松平
左京太夫
(
さきやうのたいふ
)
の
養子
(
やうし
)
となり青山の
屋敷
(
やしき
)
に
在
(
おは
)
せり
扨
(
さて
)
また大納言光貞卿の
惣領
(
そうりやう
)
綱教卿
(
つなのりきやう
)
は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『
紀伊
(
きい
)
の国の』という意味です。むかしは『きいの国』を『きの国』とも言ったのです。つまり、今の和歌山県ですね。
怪奇四十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それから、
紀伊
(
きい
)
越えの山の割れ目に
墜
(
お
)
ちた伊織の身を、幸村の配下の者も、力を
協
(
あわ
)
せて探してくれたが、
杳
(
よう
)
として、きょうまで、生死も知れなかった。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その一方において、富士山がなくなり、その代りでもあるように、
紀伊
(
きい
)
水道が浅くなってしまって、ベトンの壁が突立っているのであった。一体、どういうわけであろう。
地球要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
二上
(
ふたかみ
)
山の大阪の道から行つても跛や盲に遇うだろう。ただ
紀伊
(
きい
)
の道こそは
幸先
(
さいさき
)
のよい道であると
占
(
うらな
)
つて出ておいでになつた時に、到る處毎に
品遲部
(
ほむじべ
)
の人民をお定めになりました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
障
(
さわ
)
れば
絶
(
た
)
ゆる
蛛
(
くも
)
の
糸
(
いと
)
のはかない
處
(
ところ
)
を
知
(
し
)
る
人
(
ひと
)
はなかりき、七月十六日の
夜
(
よ
)
は
何處
(
どこ
)
の
店
(
みせ
)
にも
客人
(
きやくじん
)
入込
(
いりこ
)
みて
都々
(
どゝ
)
一
端歌
(
はうた
)
の
景氣
(
けいき
)
よく、
菊
(
きく
)
の
井
(
ゐ
)
の
下座敷
(
したざしき
)
にはお
店者
(
たなもの
)
五六人
寄集
(
よりあつ
)
まりて
調子
(
てうし
)
の
外
(
はづ
)
れし
紀伊
(
きい
)
の
國
(
くに
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「知つてゐます。
山野
(
やまの
)
紀伊
(
きい
)
の
守
(
かみ
)
です。」
硯箱と時計
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
「水戸のご隠居には、ご在職中から、
甲府
(
こうふ
)
綱豊
(
つなとよ
)
さまを
擁
(
よう
)
し、あなたのご意中は、
紀伊
(
きい
)
綱教
(
つなのり
)
さまにありました」
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
していた人の遺言書。ひとつは、
紀伊
(
きい
)
半島の南の海路図。もうひとつは保険会社の証書なのだよ。
海底の魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その後、
紀伊
(
きい
)
半島の
沖合
(
おきあい
)
に、ヘリコプターの破片らしいものがうかんでいるのを見たものがあるというが、あるいはそれが、波立二の最後を物語っているのではあるまいか。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
三好
(
みよし
)
氏は
紀伊
(
きい
)
、伊賀、
阿波
(
あわ
)
、
讃岐
(
さぬき
)
などに、
公方
(
くぼう
)
の
与力
(
よりき
)
と旧勢力をもっている点で無視できないが、これとて要するに
悉
(
ことごと
)
く頭の古い過去の人々であるばかりで、世を
紊
(
みだ
)
し民を
塗炭
(
とたん
)
に苦しめた罪は
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“紀伊”の意味
《固有名詞》
紀伊 (きい)
旧国名の一つ。紀伊国。
(出典:Wiktionary)
紀
常用漢字
小5
部首:⽷
9画
伊
漢検準1級
部首:⼈
6画
“紀伊”で始まる語句
紀伊守
紀伊国
紀伊守之助
紀伊国名所図会
紀伊國
紀伊國屋
紀伊路
紀伊郡
紀伊橋
紀伊見