きい)” の例文
きいちゃんはだ七つか八つで、泣き虫だ。一寸ちょっと頭の毛を引張っても直ぐに泣く。殺してしまうといって小刀ナイフを見せても泣く。泣いてばかりいる。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「今日はね河岸かしへ大層着いたそうで、まぐろあたらしいのがあるからおすきな赤いのをと思ってきいちゃんを一人ぼっちにして、角の喜の字へくとね、帰りがけにお前、」
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「いいかね。ふうちゃんが一号で、きいちゃんが二号で、繁ちゃんが三号だぜ」
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
きいちゃん/\。さあつかまえた。」
幇間 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
きいちゃんは人形を持っていた。大きな人形で、腹のあたりおさえると泣く。持主の真似をして泣くのだろう。どういう仕掛で泣くのかと思って、乃公は腹を裂いて見た。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
きいちゃんの大きく成ったには魂消たまげた。姉さんの方と幾許いくらも違わない」
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
きいちゃん、」
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
きいちゃんは泣き出したけれども、忠公と二人がかりで、帯で縛って、三度河の中へけてやった。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「母さんの隣にあるのが、富姉ちゃんやきい姉ちゃんのお墓なんだねえ」
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
きいちゃんの方は色が白いから、何を着ても似合う」
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「お前はきいちゃんを抱いてた方が好かろう」
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「叔母さん、きいちゃんのお友達?」
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
きいちゃん、お遊びなさいな」
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)