“菊石”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あばた84.4%
きくめ6.3%
きくせき3.1%
みつちや3.1%
アバタ3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
田原町の經師屋きやうじや東作、四十年輩の氣のきいた男ですが、これが描き菊石あばたの東作といはれた、稀代きだいの兇賊と知る者は滅多にありません。
菊石きくめなす、むなぎなすもの
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あばたがあるので菊石きくせきと号したりしたのを、小室信夫しのぶ氏が、あまりおかしいから溪石けいせきにしろと言ったというふうな人柄だった。
其の女は、前で結んだ美しい帶を、白い手で撫でながら、かう言つて、莞爾につこりと笑つた。其の顏には小じわが多くて、ツンと高い鼻の側面に一かたまりの菊石みつちやが、つくねたやうになつてゐた。
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
目の前に拡大された親爺の頬の一部の菊石アバタを隆造は不思議なものでも見るやうに凝と瞶めながら、これから自分の行かうとする歓楽の情景を一つ/\模索して行つた。
白明 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)