菊石みつちや)” の例文
其の女は、前で結んだ美しい帶を、白い手で撫でながら、かう言つて、莞爾につこりと笑つた。其の顏には小じわが多くて、ツンと高い鼻の側面に一かたまりの菊石みつちやが、つくねたやうになつてゐた。
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)