“あえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アエ
語句割合
60.7%
37.1%
1.0%
0.3%
0.2%
蒼白0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
六兵衛はわれ知らず逃げ腰になり、口をあいてあえいだ。口をあかなければのどが詰まって、呼吸ができなくなりそうだったからである。
ひとごろし (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
で、作品として出来上った所の其作品が、何かの教訓を読者に与えるなれば、あえて作家の辞する所でない。一向差支さしつかえないのである。
予の描かんと欲する作品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
父忠兵衛も牧も、少女の意のす所をさとっていたが、父ははばかってあえて制せず、牧はおそれて咎めることが出来なかった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
湯煮た魚の身を細かく切ってマイナイスで和えてめてよし、牛肉や鳥肉の細かにしたのをあえて詰てもよいのです。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
例の慢心和尚はこの時、点心てんじんでありました。膳に向ってのりのようなおかゆのようなものを一心に食べていました。その食事の鼻先へ、ムク犬があえぎ呻ぎ逃げ込んで来ました。
「ウン、顔の蒼白あええ若え人でな。年の頃はやっと三十位だんべい。ちょっくら様子のいゝ人だアよ」
青服の男 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
なんぞその心根の哀しさや。会いくば幾度いくたびにてもあえる、又た逢える筈の情縁あらば如斯こんな哀しい情緒おもいは起らぬものである。
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
娘の福慈ふくじの神もそれをいい、純粋の神の気を享けて神の領から今年、神がはじめてなりいでさせ給うた神のなりものによって純粋の神をあえまつることのよしを仲立に
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
天平宝字三年春正月一日、因幡いなば国庁に於て、国司の大伴家持が国府の属僚郡司等にあえした時の歌で、家持は二年六月に因幡守に任ぜられた。「新しき」はアラタシキである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)