病來十年わたしは一歩も東京から外へ出たことがなかつた。 大正二年の夏慶應義塾講演會の大阪に開催せられた時わたしも厚かましく講演に出掛けたのが旅行の最終であつた。 今年大正十一年十月の朔日、わが市川松莚子、一座の俳優を統率して京都に赴き、智恩 …
著者 | 永井荷風 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行 |
初出 | 「中央公論 第三十七年 第十三號 第四百十六號」中央公論社、1922(大正11)年12月1日 |
文字種別 | 旧字旧仮名 |
読書目安時間 | 約16分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約26分(300文字/分) |