真相まこと)” の例文
旧字:眞相
もぐり潜って真相まことの底へいたるのが、藤吉の役目でもあり、また興でもある。今度とてぬかってなろうか、藤吉、石のように口をつぐんで、歩を拾った。
真相まことらしいことは云わなかったが、しかし鴫澤家に寄食する直前、甲州辺りの博徒の家に、賭場防ぎ即ち用心棒として、世話になっていたということを、問わず語りに語ったことがあった。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)