衡器はかり)” の例文
しかるに百年も安心な顔をしている親たちが多いから不思議さ。その癖目白の摺餌すりえを一々衡器はかりにかける人はあるけれども小児こどもの食物に注意する人がすくない。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
現在の僕の生活に於ける絶望と退屈とが、まず大体の動向を決定してしまったというわけで、向うさんのいう条件をいちいち、衡器はかりに掛けて決定したわけではない。
宇宙尖兵 (新字新仮名) / 海野十三(著)
破壊されたるものは世界国勢の衡器はかりなり、否、世界三千年を司配したる歴史神の道路なり。(未完)
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)