“はかりごと”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハカリゴト
語句割合
39.9%
24.9%
謀計7.5%
計略6.4%
謀事5.2%
2.9%
謀略2.9%
計事1.7%
計策1.2%
1.2%
計画1.2%
偽計0.6%
智謀0.6%
用意0.6%
策智0.6%
策略0.6%
術計0.6%
計畫0.6%
計謀0.6%
諜計0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今ごろは、かの女狐めぎつね男狐おぎつね、知る人もなしと額をあつめて、はかりごとの真最中でござろう。そこへ乗りこんで、驚く顔を見てやるのも一きょう……
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「いや。君のお旨を、よく申し聞かせ、はかりごとのためなりと、得心とくしんの上で、仮の獄舎ひとやへ移しておくなら、なんのさまたげもないでしょう」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
生きた兎が飛び出せば伏勢でもあるかと刀に手が掛かり、死んだ兎がみちにあれば敵の謀計はかりごとでもあるかと腕がとりしばられる。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
聞文左衞門は夫は親類と申て請取に參つたは僞者にせものだなと云に藤八は御意ぎよいに御座ります因て私し九助と計略はかりごと示合しめしあはせ九助歸國きこくいはひと申振舞ふるまひを致させ村中の者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しかしこの間において不思議な事は、私が予期しなかった謀事はかりごとがずんずんその場合に臨んでほどこされるように、向うから仕向しむけてくれた一事である。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
今といふ今汝の思ひは同じはたらき同じかたちをもてわが思ひの中に入り、我はこの二の物によりてたゞ一のはかりごとを得たり 二八—三〇
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
彼らに知らせようとするかわらを積んではくずすような取り止めもない謀略はかりごとが幼い胸中に幾度か徒事あだめぐらされたのであったがとうとう何の手段てだてをも自分からすることなくある日崖下の子の一人が私を
山の手の子 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
「詐りは、われらの私心ではない。丞相がわれらに命じて、御旗をさずけ、擬兵の計事はかりごとをさせられたのである」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「この一巻のうちに、こまごまと、計策はかりごとを書いておいたから、もしこの城の守りがいよいよ危急に迫った時は、これを開いて、わが言となし、すべて巻中の策に従って籠城いたすがよい」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あるいは磯山自ら卑怯ひきょうにも逃奔とうほんせし恥辱ちじょく糊塗ことせんために、かくは姑息こそくはかりごとめぐらして我らの行をさまたげ、あわよくばばくに就かしめんとはかりしにはあらざると種々評議をこらせしかど、ついに要領を得ず
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
敵には定めし大勢の介添かいぞえもついていようし、わるくすれば、卑怯な計画はかりごともあろうにと、死所の覚悟はもちろんのこと、死に顔のわるくないよう、歯も白く塩でみがき
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
じつは一場の狂言——梁山泊りょうざんぱくの仲間が書いた偽計はかりごととは——金鎗手きんそうしゅ徐寧じょねいがここで気のつくはずもない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
只富貴をもて論ぜば、信玄しんげんがごとく智謀はかりごとももが百あたらずといふ事なくて、一三九一生の威を三国にふるふのみ。しかも名将の聞えは世こぞりてしやうずる所なり。
勝四郎は雀部ささべに従ひて京にゆき、絹ども残りなく交易せしほどに、当時このごろ都は四三花美くわびを好むときなれば、四四よき徳とりてあづまに帰る用意はかりごとをなすに、今度このたび上杉のつはもの鎌倉の御所をおと
と、まるでわれら明智の一勢を、猪鹿しししかを追う勢子せこ猟犬いぬのように見ての陣沙汰じんざた。どうしてこの気持のまま戦場へ赴かれるものぞ。これこそあのじゃじゃ馬殿の恐るべき例の策智はかりごと
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
偶然ぐうぜんにも弦月丸げんげつまるかゝ信號しんがうには頓着とんちやくなく、ずん/″\とその進航しんかうつゞけため、策略はかりごとやぶれた海賊船かいぞくせんは、いま手段しゆだんめぐらしつゝ、しきりにわがふねあと追及ついきふするのではあるまいか
寄り集りて術計はかりごとのうちに落しいれる如きを憐れめど、我が嘴をはさみたらば幵處を怪しくとられて、いよいよお新を邪魔ものにさるゝ種ならんも知れねば、何事にまれはなしの始まりて
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ロレ 人聲ひとごゑがする。……こりゃひめよ、ま、はやてござれ、そこは疫癘えきれい無理むり睡眠すゐみん宿やどぢゃほどに。人間以上にんげんいじゃうちからため折角せっかく計畫はかりごとみなやぶれた、さ、はやうござれ。
其間に氏郷は印籠いんろうから「西大寺」(宝心丹をいう)を取出して、其水で服用し、彼に計謀はかりごとあれば我にも防備そなえあり、案ずるな、者共、ハハハハハハ、と大きく笑って後を向くと
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
諜計はかりごとにかけようとするから、そう云う目に会っただけの話だ。所で、聞くが、ここへ来たのは君達二人だけだろうね
計略二重戦:少年密偵 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)