“徒事”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いたずらごと41.2%
とじ17.6%
いたずら11.8%
ただごと11.8%
あだ5.9%
あだごと5.9%
いたづらごと5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そうしてその科学界を組織する学者の研究と発見とに対しては、その比較的価値どころか、全く自家の着衣喫飯ちゃくいきっぱんと交渉のない、徒事いたずらごとの如く見傚みなして来た。
学者と名誉 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
勝家は、玄蕃允へ、六回もやった使者が、ついに全くの徒事とじして、怏々おうおうとして楽しまず、万事休す——とまで歎じていた。そして
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
敬太郎はただ手持無沙汰てもちぶさた徒事いたずらとばかり思って、別段意にもとどめなかったが、婆さんは丹念にそれを五六寸の長さにり上げて、文銭の上にせた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「どう考えても黒めが無暗にあの客人に吠えつくのがおかしい。どうも徒事ただごとでねえように思われる。ためしに一つぶっ放してみようか。」
木曽の旅人 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
彼らに知らせようとするかわらを積んではくずすような取り止めもない謀略はかりごとが幼い胸中に幾度か徒事あだめぐらされたのであったがとうとう何の手段てだてをも自分からすることなくある日崖下の子の一人が私を
山の手の子 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
いまになって見ると何の為に永い間はたらいてばかりいたか、徒事あだごとにすぎないことに思われた。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)