“ただごと”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
只事27.8%
尋常事22.8%
唯事21.5%
凡事20.3%
常事2.5%
徒事2.5%
啻事1.3%
庸事1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やい、外へ出ろ、外へ出ろ、只事ただごとじゃねえぞ、お姫様のたたりだ。さあ、帆柱を叩き切るんだ、帆柱を。斧を持って来い、斧を二三挺持って来い。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「けさ私が大工と一緒に部屋を調べたときには、何もかもみな乾燥していましたが……。どうも尋常事ただごとではありませんね。おや!」
毎日うろうろしていることや、京屋の主人が年甲斐としがいもなくお鈴を付け廻していた話。それからお鈴の死んだのは唯事ただごとじゃあるまいと言った世間の噂を
人々漸く聞きつけて、凡事ただごとならずと立出でて見れば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
老婆と新一はいよいよ常事ただごとでないと思って心配しながら囁き合った。
狐の手帳 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
それは時々、徒事ただごとでなかつた。
海の霧 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
それを斯うした遅い時間に、而も歩行の不自由な※疾者インバリットが起きて歩いているとすれば啻事ただごとでない。
日蔭の街 (新字新仮名) / 松本泰(著)
それは庸事ただごとであるが実感である。
本の装釘 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)