“たゞごと”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
唯事57.1%
只事21.4%
啻事7.1%
尋常事7.1%
常事7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
他家よその子には唯事たゞごとのやうなそんなことも、遊山ゆさんなどの経験の乏しい私には、珍しくて嬉しくてならなかつたのです。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
彼は平穏無事に此処の中学部を終へると、突然高等学校の試験準備を只事たゞごとではないやうな熱心さで始めて京都の三高に入つてしまつた。これは同級生のたれにとつても意外な事だつた。
朧夜 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
付て居たりし折から顏色かほいろつねならいきせきと立戻たちもど突然いきなり二階の小座敷へ這入はひりし容子ようす啻事たゞごと成らずと久八が裏階子うらばしごより忍び上りふすまかげたゝずみてうかゞひ居るとは夢にも知らず千太郎はうでこまぬき長庵に欺かれて五十兩かたり取れし殘念さよと覺悟を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
るのだらう……とにかくこれは尋常事たゞごとぢやない。」
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
指物師清兵衛は長二が先夜の挙動ふるまい常事たゞごとでないと勘付きましたから、恒太郎と兼松に言付けて様子を探らせると、長二が押上堤で幸兵衛夫婦を殺害せつがいしたと南の町奉行へ駈込訴訟かけこみうったえをしたので
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)