“徒然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つれづれ72.7%
つれ/″\10.9%
とぜん10.0%
つくねん2.7%
すさび0.9%
つまら0.9%
なおざり0.9%
ぽつねん0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
主人が収容所にいました時、仲の好い名門の伜数名が集って、研究会のようなものをつくり、徒然つれづれを慰め合っていた事がありました。
恐怖の幻兵団員 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
新納武蔵に可愛がられてゐた若い小間使こまづかひがあつた。ある日雨の徒然つれ/″\に自分の居間で何だかしたゝめてゐると、丁度そこへ武蔵が入つて来た。
平生へいぜいの元気も失せて呻吟しんぎんしてありける処へ親友の小山中川の二人尋ね来りければ徒然とぜんの折とておおいよろこび枕にひじをかけてわずかこうべ
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
お勢母子ぼしの者の出向いたのち、文三はようやすこ沈着おちついて、徒然つくねんと机のほとり蹲踞うずくまッたまま腕をあごえりに埋めて懊悩おうのうたる物思いに沈んだ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
待つ間の徒然すさびに手だけが動いて、知らず識らず同じ個処を何度も掻いたような三角の図形えがた
なが旅行りよかうつた諸君しよくんはおさつしでもあらうが、ひともなき異境ゐきやうで、滊車きしや滊船きせん出發しゆつぱつくらすほど徒然つまらぬものはない、つてつ、
私たちを苦しみや涙が誘うとき、それを徒然なおざりにせず、その原因を深く辿って行くとき必ずこの心の発露に出会います。そしてその心の指図によって新しく正しき人生の方向を執ります。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
長火鉢のそば徒然ぽつねんとしていると、半生はんせいの悔しかった事、悲しかった事、乃至ないし嬉しかった事が、玩具おもちゃのカレードスコープを見るように、紛々ごたごたと目まぐるしく心の上面うわつらを過ぎて行く。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)