“上面”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うわつら36.4%
うわべ22.7%
うわかわ4.5%
うえのほう4.5%
うはつつら4.5%
うはつら4.5%
うはづら4.5%
うはべ4.5%
うわっつら4.5%
うわづら4.5%
ウハツラ4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは上面うわつらの礼式にとどまる事で、精神には何の関係もない云わば因襲いんしゅうといったようなものですから、てんで議論にはならないのです。
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
眼前にワルトンのつべこべとアイリスに取り入る態度を見てはジョーンの血はたぎった。ジョーンは上面うわべでは大様おおようを装って居た。
決闘場 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
上等の家ではそんな事もありませんが人の悪い西洋料理屋になりますと腐りかかった牛肉の上面うわかわいで中身はビフテキなんぞにして腐った処を崩してルリーの葉を交ぜて悪い匂いを
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
その時手速くその半紙を蓋の間へみます。こうすると出来た時上面うえのほうげません。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
ザクザクと融けた雪が上面うはつつらだけ凍りかかつて、おびただしく歩き悪い街路を、野村は寒さも知らぬ如く、自暴やけ昂奮たかぶつた調子で歩き出した。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
成程汗みづくになつて自分ばかり働いて、娘にはほんの上面うはつらばかり撫でるやうにねさせて人前を取繕とりつくろつて置く。
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)
渓岨たにそばの日かげの暗き青杉も上面うはづら焦げて冬なむとす
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そして運命の上面うはべの好意は彼等が一番の近道を通ることを妨げない。
色褪せた書簡箋に (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
たゞ自然界の現象の上面うわっつらばかりを模倣した、所謂いわゆる自然派の小説がほんとうの藝術であるとしたら、藝術と云うものは撰ばれたる少数の天才の事業ではなくて、むしいやしい
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
折からさっと渡った風は、はじめ最も低く地上をすって、雪の上面うわづらでてあたかもふるいをかけたよう、一様にたいらにならして、人の歩行あるいた路ともなく、夜の色さえうずみ消したが、見る見る垣をわた
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
風雅に対する理会力は、心ある状態の、ほんの上面ウハツラの意義である。無心は、そつくり其逆を意味する程ではなかつた。