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徒然
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つれ/″\
ふりがな文庫
“
徒然
(
つれ/″\
)” の例文
新納武蔵に可愛がられてゐた若い
小間使
(
こまづかひ
)
があつた。ある日雨の
徒然
(
つれ/″\
)
に自分の居間で何だか
認
(
したゝ
)
めてゐると、丁度そこへ武蔵が入つて来た。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
天城を越したら送れと言つたY君を始め、信州のT君へは、K君と私と連名で書いた。旅の
徒然
(
つれ/″\
)
に土地の按摩を頼んだ。
温暖
(
あたたか
)
い雨の降る音がして來た。
伊豆の旅
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
或時
(
あるとき
)
徒然
(
つれ/″\
)
なるに
任
(
まか
)
せて、
書物
(
しよもつ
)
の
明細
(
めいさい
)
な
目録
(
もくろく
)
を
編成
(
へんせい
)
し、
書物
(
しよもつ
)
の
背
(
せ
)
には
札
(
ふだ
)
を一々
貼付
(
はりつ
)
けたが、
這麼機械的
(
こんなきかいてき
)
な
單調
(
たんてう
)
な
仕事
(
しごと
)
が、
却
(
かへ
)
つて
何故
(
なにゆゑ
)
か
奇妙
(
きめう
)
に
彼
(
かれ
)
の
思想
(
しさう
)
を
弄
(
ろう
)
して、
興味
(
きようみ
)
をさへ
添
(
そ
)
へしめてゐた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
若い嫁さんが、離れにゐる土井の
徒然
(
つれ/″\
)
を慰めに
上
(
あが
)
つて来て、お茶をいれながら死んだ人のことを話した。それほど兄は皆から慕はれてゐた。彼の潔白と正直が、社会的には彼に幸ひしなかつた。
閾
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
は
元來
(
ぐわんらい
)
愛國
(
あいこく
)
慷慨
(
かうがい
)
の
人
(
ひと
)
、
甞
(
かつ
)
て
北海
(
ほくかい
)
の
滊船
(
きせん
)
で
面會
(
めんくわい
)
した
時
(
とき
)
も、
談話
(
だんわ
)
爰
(
こゝ
)
に
及
(
およ
)
んだ
時
(
とき
)
、
彼
(
かれ
)
はふと
衣袋
(
ポツケツト
)
の
底
(
そこ
)
を
探
(
さぐ
)
つて、
昨夜
(
さくや
)
旅亭
(
りよてい
)
の
徒然
(
つれ/″\
)
に
作
(
つく
)
つたのだと
言
(
い
)
つて、一
篇
(
ぺん
)
の
不思議
(
ふしぎ
)
な
新體詩
(
しんたいし
)
を
示
(
しめ
)
された。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
椽側
(
えんがは
)
に
居
(
ゐ
)
た
白痴
(
あはう
)
は
誰
(
たれ
)
も
取合
(
とりあ
)
はぬ
徒然
(
つれ/″\
)
に
堪
(
た
)
へられなくなつたものか、ぐた/\と
膝行出
(
いざりだ
)
して、
婦人
(
をんな
)
の
傍
(
そば
)
へ
其
(
そ
)
の
便々
(
べん/\
)
たる
腹
(
はら
)
を
持
(
も
)
つて
来
(
き
)
たが、
崩
(
くづ
)
れたやうに
胡座
(
あぐら
)
して、
頻
(
しきり
)
に
恁
(
か
)
う
我
(
わし
)
が
膳
(
ぜん
)
を
視
(
なが
)
めて、
指
(
ゆびさし
)
をした。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
時しもあれや、
徒然
(
つれ/″\
)
の
醉
(
ゑひ
)
は
稚
(
をさな
)
き心に浮び
虱とるひと
(旧字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
始として加茂北野金閣寺其外
遊所
(
いうしよ
)
はもとより人立
繁
(
しげ
)
き方へ行ては尋ぬれども此處にも更に手掛りなく彼是と半年ばかりも暮しける
中
(
うち
)
或日
雨
(
あめ
)
強
(
つよ
)
く
降
(
ふり
)
て流石の忠八も此日は外へも出ず宿屋に一人
徒然
(
つれ/″\
)
に居たりしに此家の亭主
出來
(
いできた
)
り偖も
折惡敷
(
をりあしき
)
雨天にてお客樣には嘸かし
御退屈
(
ごたいくつ
)
成
(
なら
)
んと
下婢
(
げぢよ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
秋篠寺
(
あきしのでら
)
の伎芸天女や、薬師寺の
吉祥天
(
きちじやうてん
)
といつたやうな結構な美術品は幾度となく見は見たが、いつといふ事なし、それ
丈
(
だけ
)
では何だか物足りなくなつて、
旅籠
(
はたご
)
の
夜
(
よ
)
の
徒然
(
つれ/″\
)
に
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
徒然
(
つれ/″\
)
な舟の中は人々の雑談で持切つた。
就中
(
わけても
)
、高柳と一緒になつた坊主、茶にしたやうな口軽な調子で、柄に無い政事上の
取沙汰
(
とりざた
)
、
酢
(
す
)
の
菎蒻
(
こんにやく
)
のとやり出したので、聞く人は皆な笑ひ憎んだ。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
此
(
この
)
飜譯
(
ほんやく
)
は、
仕事
(
しごと
)
の
餘暇
(
よか
)
、
水兵等
(
すいへいら
)
に
教授
(
けふじゆ
)
の
爲
(
ため
)
にと、
大佐
(
たいさ
)
が
餘程
(
よほど
)
以前
(
いぜん
)
から
着手
(
ちやくしゆ
)
して
居
(
を
)
つたので、
殘
(
のこ
)
り
五分
(
ごぶん
)
の
一
(
いち
)
程
(
ほど
)
になつて
居
(
を
)
つたのを、
徒然
(
つれ/″\
)
なるまゝ、
私
(
わたくし
)
が
無理
(
むり
)
に
引受
(
ひきう
)
けたので、
其
(
その
)
飜譯
(
ほんやく
)
の
全
(
まつた
)
く
終
(
をは
)
つた
頃
(
ころ
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
此
(
こ
)
の
五日
(
いつか
)
六日
(
むいか
)
、
心持
(
こゝろもち
)
煩
(
わづら
)
はしければとて、
客
(
きやく
)
にも
逢
(
あ
)
はず、
二階
(
にかい
)
の
一室
(
ひとま
)
に
籠
(
こも
)
りツ
切
(
きり
)
、で、
寢起
(
ねおき
)
の
隙
(
ひま
)
には、
裏庭
(
うらには
)
の
松
(
まつ
)
の
梢
(
こずゑ
)
高
(
たか
)
き、
城
(
しろ
)
のもの
見
(
み
)
のやうな
窓
(
まど
)
から、
雲
(
くも
)
と
水色
(
みづいろ
)
の
空
(
そら
)
とを
觀
(
み
)
ながら、
徒然
(
つれ/″\
)
にさしまねいて
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「紹巴か、よく参つて呉れたの。
徒然
(
つれ/″\
)
の折ぢや、今日は連歌の話でもして
呉
(
く
)
りやれ。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
半日の
徒然
(
つれ/″\
)
を慰めようとした。
山陰土産
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
徒
常用漢字
小4
部首:⼻
10画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“徒然”で始まる語句
徒然草
徒然事
徒然慰草
徒然草抜穂