“徒爾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とじ54.2%
いたずら16.7%
いたづら12.5%
むだ12.5%
たいくつ4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わざは上達しないでもこういう心境をやしなうことが出来るものならば遊芸をならうということも徒爾とじではないように思われてくる。
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
と云って、のままに立去たちさるほどの断念あきらめは付かぬ。断念の付かぬのも無理はない。重太郎は宝に心をひかされて、徒爾いたずらに幾日かを煩悶のうちに送った。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それ二の矢三の矢を待つは若き小鳥の事ぞかし、羽あるものの目のまへにて網を張り弓をくは徒爾いたづらなり。 六一—六三
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
家へ帰つてからも、美奈子は、お茶の水にゐた頃の校友会雑誌の『校報』などを拡げて、それらしい名前を、思ひ出さうとしたけれども、やつぱり徒爾むだだつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
丁度徒爾たいくつで困つてゐる三人連れの中年の御婦人があつたので、その三人の女の方を誘つて、岡田村まで大きな箱自動車で出掛けました。
大島行 (旧字旧仮名) / 林芙美子(著)