トップ
>
徒爾
>
いたずら
ふりがな文庫
“
徒爾
(
いたずら
)” の例文
と云って、
此
(
こ
)
のままに
立去
(
たちさ
)
るほどの
断念
(
あきらめ
)
は付かぬ。断念の付かぬのも無理はない。重太郎は宝に心を
惹
(
ひか
)
されて、
徒爾
(
いたずら
)
に幾日かを煩悶の
中
(
うち
)
に送った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
兄さんは自分の身躯や心が自分を
裏切
(
うらぎ
)
る
曲者
(
くせもの
)
のように云います。それが
徒爾
(
いたずら
)
半分の
出放題
(
でほうだい
)
でない事は、
今日
(
きょう
)
までいっしょに
寝泊
(
ねとま
)
りの
日数
(
ひかず
)
を重ねた私にはよく理解できます。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私は
徒爾
(
いたずら
)
な時間をつぶすために、与一の絵葉書や手紙を、何度となく読んでまぎらした。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
これなども山𤢖の女性であったに相違ないが、
徒爾
(
いたずら
)
に腐らして
了
(
しま
)
ったのは
惜
(
おし
)
い事であった。同じく西遊記に山𤢖の事も記してあったと記憶している。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
山育ちの彼は、
之
(
これ
)
を形容すべき適当の
詞
(
ことば
)
を知らなかった。重太郎は
徒爾
(
いたずら
)
に眼を
瞠
(
みは
)
り、手を拡げて、
其
(
そ
)
の
尊
(
とうと
)
き宝であるべきことを
頻
(
しきり
)
に説明
為
(
し
)
ようと試みた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
遊
(
ゆ
)
く水は再び
還
(
かえ
)
らず、
魯陽
(
ろよう
)
の
戈
(
ほこ
)
は落日を招き
還
(
かえ
)
しぬと聞きたれど、何人も死者を泉下より
呼起
(
よびおこ
)
すべき
術
(
すべ
)
を知らぬ
限
(
かぎり
)
は、われも
徒爾
(
いたずら
)
に帰らぬ人を慕うの
女々
(
めめ
)
しく愚痴なるを知る
父の墓
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
徒
常用漢字
小4
部首:⼻
10画
爾
漢検準1級
部首:⽘
14画
“徒”で始まる語句
徒
徒歩
徒然
徒士
徒渉
徒然草
徒事
徒輩
徒労
徒弟