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徒爾
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とじ
ふりがな文庫
“
徒爾
(
とじ
)” の例文
わざは上達しないでもこういう心境をやしなうことが出来るものならば遊芸をならうということも
徒爾
(
とじ
)
ではないように思われてくる。
蘆刈
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
粽の種類を列挙するのは、風俗誌の領分に属するにしても、各地に固有の粽が存在する以上、俳人の観察がそこに及ぶのも
徒爾
(
とじ
)
ではあるまい。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
この時において彼
豈
(
あ
)
に
徒爾
(
とじ
)
にして
已
(
や
)
まんや。
蹈海
(
とうかい
)
の雄志は
奔馬
(
ほんば
)
の
鞭影
(
べんえい
)
に驚きたるが如し。彼
豈
(
あ
)
に徒爾にして
已
(
や
)
まんや。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
何となればアダには
徒爾
(
とじ
)
または
障礙
(
しょうがい
)
の意味があるからである。アタの地名の古いのは九州南部の吾田・阿多がある。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
美術に余情あるは、その作者に裡面の活気あればなり、余情は
徒爾
(
とじ
)
に得らるべきものならず、作者の情熱が自からに
湛積
(
たんせき
)
するところに於て、余情の源泉を存す。
情熱
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
▼ もっと見る
建文
未
(
いま
)
だ死せず、従臣の
中
(
うち
)
、
道衍
(
どうえん
)
金忠
(
きんちゅう
)
の輩の如き策士あって、西北の
胡兵
(
こへい
)
を借るあらば、天下の事知る可からざるなり。
鄭和
(
ていか
)
胡濙
(
こえい
)
の
出
(
い
)
づるある、
徒爾
(
とじ
)
ならんや。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
六年間の修養が決して
徒爾
(
とじ
)
ではなかつたことを神かけて示すべき日が近づいたのである。云々。
盗まれた手紙の話
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
〔譯〕
經
(
けい
)
を讀むは、宜しく我れの心を以て經の心を讀み、經の心を以て我の心を
釋
(
しやく
)
すべし。然らずして
徒爾
(
とじ
)
に
訓詁
(
くんこ
)
を
講明
(
かうめい
)
するのみならば、
便
(
すなは
)
ち是れ終身
曾
(
かつ
)
て讀まざるなり。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
民主思想なども、実を言ふと、この心理の縦断と横断の深いところから入つて行かなければ、千言万語も
徒爾
(
とじ
)
であるのである。横からばかり見ずに、縦からも見なければならない。
心理の縦断と横断
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
造次
(
ぞうじ
)
何ぞ曾て復讎を忘れん 門に
倚
(
より
)
て
媚
(
こび
)
を献ず
是
(
これ
)
権謀 風雲帳裡無双の士 歌舞城中第一流
警柝
(
けいたく
)
声は沉む
寒堞
(
かんちよう
)
の月 残燈影は冷やかなり
峭楼
(
しようろう
)
の秋 十年剣を磨す
徒爾
(
とじ
)
に非ず 血家血髑髏を貫き得たり
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
殺さんと思ひたちしは偶然の狂乱よりなりし、されども、
斯
(
かく
)
の如き悲劇の、
斯
(
か
)
くの如き
徒爾
(
とじ
)
の狂乱より成りし事を思へば、まがつびの魔力いかに
迅
(
じん
)
且大ならずや。
鬼心非鬼心:(実聞)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
しかし私に取つては、この記録は決して
徒爾
(
とじ
)
ではなかつた。また偶然でもなかつた。行かなければならないところに自然に到達しつゝあつたのである。好いにしてもまたわるいにしても……。
「毒と薬」序
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
日記の体裁の上からいってもそれが必要であると思うし、
亡
(
な
)
くなった人と私との性生活の闘争についても、ここらでもう一度振り返ってみて、そのいきさつを追想してみるのも
徒爾
(
とじ
)
ではない。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
徒
常用漢字
小4
部首:⼻
10画
爾
漢検準1級
部首:⽘
14画
“徒”で始まる語句
徒
徒歩
徒然
徒士
徒渉
徒然草
徒事
徒輩
徒労
徒弟