徒爾むだ)” の例文
家へ帰つてからも、美奈子は、お茶の水にゐた頃の校友会雑誌の『校報』などを拡げて、それらしい名前を、思ひ出さうとしたけれども、やつぱり徒爾むだだつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
若し話が一つ間違つて、面倒な事でも生じましたら、私が困りますよりは余程赤樫の方が困るのは知れてゐるのですから、私をとほざけやう為に、お話をなさるのなら、徒爾むだな事で御座います。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
家へ帰ってからも、美奈子は、お茶の水にいた頃の校友会雑誌の『校報』などをひろげて、それらしい名前を、思い出そうとしたけれども、やっぱり徒爾むだだった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)