計略はかりごと)” の例文
かんにんして下さい、徐寧じょねいさん。じつはわたしも今では仲間の一人。——今日までのこと一切は、ここの軍師呉用ごよう先生が書いた計略はかりごとです。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
聞文左衞門は夫は親類と申て請取に參つたは僞者にせものだなと云に藤八は御意ぎよいに御座ります因て私し九助と計略はかりごと示合しめしあはせ九助歸國きこくいはひと申振舞ふるまひを致させ村中の者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おれと山嵐がしきりに赤シャツ退治の計略はかりごとを相談していると、宿の婆さんが出て来て、学校の生徒さんが一人、堀田ほった先生にお目にかかりたいてておでたぞなもし。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
われに計略はかりごとあり、及ばぬまでも試み給はずや、およきつねたぬきたぐいは、その性質さがいたっ狡猾わるがしこく、猜疑うたがい深き獣なれば、なまじいにたくみたりとも、容易たやすく捕へ得つべうもあらねど。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
青眼先生は何だか狐につままれたような気がして、呆然ぼんやりと立っていました。けれどもそのうちに又不図これは悪魔の計略はかりごとだなと気が付いて、急いで紅矢のへやに帰って見ますと、こは如何に。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
屏風を建廻たてまわして、武張ったお方ゆえ近臣に勇ましい話をさせ昔の太閤たいこうとか、又眞田さなだは斯う云う計略はかりごとを致しました、くすのきは斯うだというようなお話をすると、少しはまぎれておいでゞございます。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
世界中の戦略家(戦争の計略はかりごとを考える人)が、みんな
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
決断けつだんがついたか、あの大きな碧瞳へきどうをギョロリと光らし丹羽昌仙の耳もとへなにかの計略はかりごとをささやいて、ことばのおわりに
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よろしい、いつでも加勢する。ぼく計略はかりごと下手へただが、喧嘩とくるとこれでなかなかすばしこいぜ」
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これなんでも下婢かひ下男げなん窃取くすねるに相違さうゐない、一ばん計略はかりごともつためしてやらう。
申聞すなり今越前不慮ふりよの儀に及び候へば明日にも御對顏仰せ出さるゝは必定ひつぢやうなり萬一御對顏ののち贋者にせものと相分るも最早もはや取戻とりもどしなり難しすれば第一天下の恥辱ちじよく二ツには君への不忠なり依て越前は短慮たんりよの振舞致さず今宵計略はかりごと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
すぐ計略はかりごとをめぐらして、兵乱の中から上皇と天皇の御輦みくるまを自分のほうへお迎えし奉って、その上で戦を開始した。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よろしい、いつでも加勢する。僕は計略はかりごとは下手だが、喧嘩とくると是で中々すばしこいぜ」
坊っちやん (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
舌を巻いたどころの驚きでなく、恐怖に駆られ、その日の計略はかりごとも忘れて街へ逃げ去ってしまったものらしい。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「わしもそう思った。それゆえに、よしや、いちじの計略はかりごとにせよ、家康などに頭をさげるのがいやであった。龍太郎、そちの教えどおりにしなかった、わしのわがままはゆるしてくれよ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
計略はかりごとはこの柴進の胸にありますから
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)