謀事はかりごと)” の例文
異日、印を奪わん為、洛陽の帰途をち、公を苦しめたるものは袁紹えんしょう謀事はかりごとなり。今また、劉表と議し、江東を襲って、公の地をかすめんとくわだつ。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしこの間において不思議な事は、私が予期しなかった謀事はかりごとがずんずんその場合に臨んでほどこされるように、向うから仕向しむけてくれた一事である。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
謀事はかりごとは密なるを要すって申しましょう。もう二三日お待ち下さいまし」
好い工夫が有ると云い兼ねて自分の手下とする一人の老看護婦を連れて来ました、爾して謀事はかりごとの委細を夏子に伝えた者ですから、夏子は其の差し図に従い病気を言い立て診察願いを出しました
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
謀事はかりごとは密なるをもって好しとする。ここで公開しちゃ駄目だよ」
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
見れば謀事はかりごと成就じやうじゆせしと相見えたりとて次右衞門を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「おじさんの謀事はかりごとがまずいからさ。おじさんは宵のうち、お客に化けて、大勢の中へじって来ていたろ」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私がその日本人の使いをしたとかあるいはまた謀事はかりごとを互いに通じてこの国の不為ふためを謀ったとかいうような事で毎日調べられるけれども、私は一向いっこうそんな事は知らない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
謀事はかりごとは密なるを要すつて申しませう。もう二三日お待ち下さいまし」
五……袁紹は謀事はかりごとをこのむが、決断がないので常に惑う。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)