耕地こうち)” の例文
水田すいでんのかぎりなく広い、耕地こうちの奥に、ちょぼちょぼと青い小さなひと村。二十五六戸の農家が、雑木ぞうきの森の中にほどよく安配あんばいされて、いかにもつつましげな静かな小村こむらである。
落穂 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
家の前面は広い耕地こうちだ。耕地全体をとりまくようにして、家の裏から左手へ、それからずっと前方までゆるやかな傾斜面が盛り上っているが、そこらじゅうのはんの木の若葉は何という美しい奴だろう。
石ころ路 (新字新仮名) / 田畑修一郎(著)
而して水はさながら水晶すいしょうである。まだ此辺までは耕地こうちは無い。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)