“蒸上”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むしのぼ50.0%
むれあが50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
丑松は考深い目付を為乍しながら、父の死をおもひつゞけて居ると、軈て種牛の毛皮も悉皆すつかり剥取られ、角も撃ち落され、脂肪に包まれた肉身なかみからは湯気のやうな息の蒸上むしのぼるさまも見えた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
豊艶ふっくらのぞいた乳首ちちくびが白い蛇の首に見えて、むらむらとうろこも透く、あの指の、あの白金プラチナが、そのまま活きて出たらしいで、俺はこの手足も、胴も、じなじなと巻緊まきしめられると、五臓六腑が蒸上むれあがって
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)