“むしのぼ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
蒸上50.0%
蒸騰50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
丑松は考深い目付を為乍しながら、父の死をおもひつゞけて居ると、軈て種牛の毛皮も悉皆すつかり剥取られ、角も撃ち落され、脂肪に包まれた肉身なかみからは湯気のやうな息の蒸上むしのぼるさまも見えた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
暮色はいよいよこまやかに、転激うたたはげしき川音の寒さを添ふれど、手寡てずくななればやあかりも持きたらず、湯香ゆのか高く蒸騰むしのぼけむりの中に、ひとり影暗くうづくまるも、すこしすさまじき心地して、程無く貫一も出でて座敷に返れば
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)