“からだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カラダ
語句割合
身体48.0%
18.0%
13.1%
身體4.8%
体躯3.3%
2.6%
1.7%
肉体1.5%
1.2%
身躰1.0%
肉體0.7%
體躯0.6%
身躯0.6%
体格0.5%
躯幹0.3%
0.2%
健康0.2%
五体0.1%
肢体0.1%
體質0.1%
形態0.1%
五躰0.1%
体中0.1%
体質0.1%
体身0.1%
体駆0.1%
全身0.1%
容體0.1%
尊体0.1%
形体0.1%
死体0.1%
病体0.1%
病躯0.1%
肉身0.1%
裸体0.1%
身内0.1%
身分0.1%
身骸0.1%
躰躯0.1%
遺骸0.1%
骨格0.1%
魚躰0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女はトランプが大好きでしたから、わたしたちはたびたびゲームを行い、負けた者には顔なり身体からだなりへ墨を塗ることにしました。
メデューサの首 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
僕はかわいい顔はしていたかも知れないがからだも心も弱い子でした。その上臆病者おくびょうもので、言いたいことも言わずにすますようなたちでした。
一房の葡萄 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
からだて頂をし、もって万一に報ずるを思わず、かえって胸臆きょうおくほしいままにし、ほしいままに威福をす。死すべきの罪、髪をきて数えがたし。
続黄梁 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
第六 毎日まいにち一度いちど冷水ひやみづあるひ微温湯ぬるゆにて身體からだ清潔きれいぬぐひとり、肌着はだぎ着替きかへべし。入浴ふろは六七日目にちめごとなるたけあつからざるるべきこと
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
夕月の光を背にしていたからその横顔もはっきりとは知れなかったがそのたくましげな体躯からだの黒い輪郭が今も僕の目の底に残っている。
忘れえぬ人々 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ちようど とほりかゝつた 物しりを よびとめて たづねて 見ると、物しりは、驢馬の からだを よく しらべてから いひました。
驢馬の びっこ (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
遠く離れてはいたが、手拭を冠った母のからだを延べつ縮めつするさまも、子息のシャツ一枚に成って後ろ向に働いているさまも、よく見えた。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ところがこれが縁となって、お八重と主税とは恋仲となり、肉体からだこそ未だに純潔ではあれ、末は必ず夫婦になろうと約束を結んだのであった。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
夫人は、灯もない夕暮の自室に、木乃伊ミイラのようにせ細ったからだを石油箱の上に腰うちかけて、いつまでもジッと考えこんでいた。
ヒルミ夫人の冷蔵鞄 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
そればかりでも身躰からだ疲勞ひらうはなはだしからうとおもはれるので種々いろ/\異見いけんふが、うもやまひせゐであらうか兎角とかくれのこともちひぬにこまりはてる
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
おなじく、ふかひゞのはいつた肉體からだをもつてゐるわたしは、これからうみかうとしてゐたので、一つはしばらく先生せんせいにもおかゝれまいとおもつて。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
それがぼく出身しゆつしん學校がくかうなのです、四十幾歳いくさい屈強くつきやう體躯からだをした校長かうちやう大島氏おほしましは、四五にん教員けうゐん相手あひてに二百餘人よにん生徒せいと教鞭けふべんつてられます。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
彼がこの考えを起こした後は、固有の偉大なる身躯からだがあるいはかえるとなり、あるいは鳥となり、あるいはへびとなり、種々なる形に変化している。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
彼女はそっと階子段をのぼった。柔婉しなやか体格からだをもった彼女の足音は猫のように静かであった。そうして猫と同じような成効せいこうをもってむくいられた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
什麽どんなことするつて泥棒どろぼうはしねえぞ、勘次かんじれた目尻めじりに一しゆ凄味すごみつておつたがつたとき卯平うへいはのつそりと戸口とぐちおほきな躯幹からだはこばせた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
大岡殿は見て取れ大おん默止だまれ此出過者すぎものおのれ尋問たづねはせぬぞ只今九郎兵衞が申には里のからだきずは無いとあり又汝もよめではあれど知らぬと答へしには非ずや然るを今村役人共が申立るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
らいてうさま、あなたのお健康からだは、都門ともんを離れたお住居すまいを、よぎなくしたでございましょうが、激しい御理想に対してその欲求おのぞみが、時折何ものも焼尽やきつくす火のように燃え上るおりがございましょう。
平塚明子(らいてう) (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
しぼんだ朝顔を逆さに懸けたような形の紙帳の、そのがくにあたる辺を睨み、依然として刀を構えていたが、次第に神気こころが衰え、刀持つ手にしこりが来、全身に汗が流れ、五体からだに顫えが起こり
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
縄を解き、懐中ふところよりくし取りいだして乱れ髪けと渡しながら冷えこおりたる肢体からだを痛ましく、思わず緊接しっかりいだき寄せて、さぞや柱に脊中がと片手にするを、女あきれて兎角とかくことばはなく
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
これは水ぎらひとか、恐怖とかいふのから出來ないのではなくて、生れた土地的のものからと、體質からだからとで、水練の機會がなかつたからだが、これは、一生を通じて損をした大きなものだと思ふ。
(旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
神界しんかいから霊界れいかい霊界れいかいから幽界ゆうかいへと、だんだんにそのお形態からだ物質ぶっしつちかづけてあったればこそ、ここにはじめて地上ちじょう人類じんるい発生はっせいすべき段取だんどりすすたのであるともうすことでございます。
稀薄きはくで、清浄せいじょうで、ほとんどるかきかの、ひかり凝塊かたまり申上もうしあげてよいようなお形態からだをおあそばされたたか神様かみさまが、一そくびににぶ物質ぶっしつ世界せかいへ、その御分霊ごぶんれいけることは到底とうていできませぬ。
でも矢張り女で、やがて全然すつかり醉つて了つて、例の充分に發達して居る美しい五躰からだの肉には言ひやうもなく綺麗な櫻いろがさして來た。
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
即ち今までの学説で呼吸器から肺病の細菌を吸い込むと信じましたけれどもベーリング氏の研究ではその細菌が食物と共に一旦いったん腸へ附着して体中からだへ吸収せられるという事です。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「農科をやるといいわ。きつと似合つてよ。どうしてもお百姓をやる体質からだだわ。五郎さんのは。……」
水と砂 (新字旧仮名) / 神西清(著)
ここへ来てからというもの、体身からだ中が荒彫りのような、粗豪なマスうずめられてしまい、いつも変らず少し愚鈍ではございますけど、そのかわり兄と一緒に、日々野山を駆け廻っておりますの。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「何に、少しは風を通さないと善くないのよ。御用というのは欠勤届のことでしょう、」と主人の少女は額から頬へ垂れかかるをうるさそうに撫であげながら少し体駆からだを前にかがめて小声で言った。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
枝に巻きつけて全身からだの重みを支えるばかりか時にはその尾を振り廻して行手をさえぎる雑木を
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「死んだ——といふと、あの弟の捨吉ですか。身動きも出來ない容體からだでしたが」
しかり候ても日々物思いに沈み参らせ候 これまで何心なく目もとめ申さざりし新聞の天気予報など今いますあたりはこのほかと知りながら風など警戒のいで候節は実に実に気にかかり参らせ候 何とぞ何とぞお尊体からだ
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
ゆめゆめあるまじき事にして、徹頭徹尾、じょの一義を忘れず、形体からだこそ二個ふたりに分かれたれども、その実は一身同体と心得て、始めて夫婦の人倫を全うするを得べし。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「お雪、何時だろう——そろそろ夜が明けやしないか——今頃は、正太さんの死体からださかんに燃えているかも知れない」
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その報をきいてかけ付けた門弟たちは、師の病体からだを神戸にうつすと同時に「楠公なんこう父子桜井の訣別けつべつ」という、川上一門の手馴てなれた史劇を土地の大黒座で開演した。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「食わせてくれれば食うし、食わせてくれなければそれまで」と言ったような、宗蔵の横に成った病躯からだには実に強い力が有った。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
見る/\小屋の中央まんなかには、巨大おほきな牡牛の肉身からだが釣るされて懸つた。叔父も、蓮太郎も、弁護士も、互に顔を見合せて居た。一人の屠手はのこぎりを取出した、脊髄あばらを二つに引割り始めたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
昨日今日の日和ひよりに、冬の名残なごりんやりと裸体からだに感ぜられながらも、高い天井てんじょうからまぶしい陽光ひかりを、はずかしい程全身に浴びながら、清澄せいちょう湯槽ゆぶねにぐったりと身をよこたえたりする間の、疲れというか
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
お嬢さんはお父さんの話を黙って聞きながら、私の心を掻き乱すようなその美しい眼に、淋しいえみを見せて、私をじっと見詰めていた。私は身内からだすくむように思った。
妖影 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
それとも人にねえお前さんい年をして芸者の身請を致して、女房子の有る身分からだ了簡方りょうけんがたが違おうとか何とか野暮な小言を云った奴が有って、色に溺れるのじゃアない、美代吉の身請を致して
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
……だが、見ねえな、よみじ見たいな暗がりの路を、塔婆のおれを銜えた処は犬の身骸からだが半分人間に成ったようだ。三世相さんぜそうじゃあねえ、よく地獄の絵にある奴だ。白斑の四足で、つらが人間よ。
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
の二つのほかには別段べつだんれというてかぞへるほど他人たにん記憶きおくにものこつてなかつた。それでもかれおほきな躰躯からだ性來せいらい器用きようとは主人しゆじんをして比較的ひかくてき餘計よけい給料きふれうをしませなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
一昨日おととい帰って見ますと、母の遺骸からだはもう火葬にしてありましたのでガッカリしました。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
全体私は骨格からだは少し大きいが、本当は柔術も何も知らない、生れてから人をうったこともない男だけれども、その権幕はドウも撃ちそうなつかみ掛りそうな気色けしき
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
大きな盤台ばんだいに、ピチピチはねる、地中海の小魚が、りどりにしゃくえた。ヒラヒラと魚躰からだをひるがえすたびに、さまざまの光りが、青い銀のような水とともにきらめいた。
モルガンお雪 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)