“凋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しぼ55.6%
しお25.2%
しな7.4%
しを3.7%
しほ3.7%
すぼ0.7%
0.7%
くぼ0.7%
0.7%
すが0.7%
シボメ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
腕組みして仔細らしく考へ込んでゐるしぼんだ青瓢箪あをべうたんのやうな小僧や、さうした人達の中に加つて彼は控所のベンチに身をやすませた。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
神田から台所町へ、台所町から亀沢町へうつされて、さいわいしおれなかった木である。また山内豊覚が遺言いげんして五百に贈った石燈籠いしどうろうがある。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
探偵は死骸の着物の衣嚢から何やらしなびた様な物を取り出した、熟く見ると彼の松谷秀子が左の手にはめて居た異様な手袋である
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
かしらの家は大屋さんで御座りますからとてしをれるをすかして、さらば門口まで送つて遣る、叱からるゝやうの事は爲ぬわとて連れらるゝに四隣あたりの人胸を撫でゝはるかに見送れば
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
段々御やつれなされてと常にも似ずしほるゝに、それは/\知ぬ事とて御見舞もせなむだがさぞまあ旦那樣だんなさまは御心配、御可哀想に早く御全快おさせもふしたい
うづみ火 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
そして、その拡がった裳裾を、傘のようにすぼめながら、如何にもはまり込んで行くかの体で、腰を落して行ったのだ。
オフェリヤ殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
しかし、よく考えてみると、やっと二十歳はたちになったばかりで、父も母もなく、伯父の家に身を寄せている倭文子の心が、日陰に咲く花のようにだんだんしなびて行くのは、当然のように思われた。
第二の接吻 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
鋭いくぼんだ顔が、白髪の中から覗き出て、右腕には少なくとも一ダースはあろうと思われるほどの、貴重な書籍をかかえていた。
(と従者、おれし一枝の鈴蘭の花を女子に渡す、女子無音に受け取り、唇にあつ)
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
だから海軍将校の言葉が呼び起した、美しい過去の幻も——仄暗い森の噴水とすがれて行く薔薇との幻も、一瞬の後には名残りなく消え失せてしまはなければならなかつた。
舞踏会 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
皿である]ニ投ジテ之レヲトフ葉開ケバ即チ其人存シシボメバ即チ人亡キ也ト此言大ニ笑フベシ性水ヲ澆ゲバ能ク活スルコトヲ知ラザレバナリ
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)