しほ)” の例文
段々御やつれなされてと常にも似ずしほるゝに、それは/\知ぬ事とて御見舞もせなむだがさぞまあ旦那樣だんなさまは御心配、御可哀想に早く御全快おさせもふしたい
うづみ火 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
かしらの家は大屋さんで御座りますからとてしほれるをすかして、さらば門口かどぐちまで送つてる、叱からるるやうの事はぬわとて連れらるるに四隣あたりの人胸を撫でてはるかに見送れば
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かしらうち大屋おほやさんで御座ござりますからとてしほれるをすかして、さらば門口かどぐちまでおくつてる、からるゝやうのことぬわとてれらるゝに四隣あたりひとむねでゝはるかに見送みおくれば
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
うで思案しあんにもあたはず、しほれかへる甚之助じんのすけ人目ひとめ遠慮ゑんりよなきをうらやみて、こヽろそらになれどつち箒木はヽき面倒めんだうさ、此身このみりしもゆゑかは、つれなき令孃ひめ振舞ふるまひ其理由そのわけぐれず
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さきくるまかへりますとちからなさゝうにしほれてへは、れはとよしらうあんはじめて、一人ひとりではなに面白おもしろくはい、又來またくるとして今日けふめにせうと美尾みをがいふまゝやさしう同意どういしてれるうれしさも
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)