しを)” の例文
かしらの家は大屋さんで御座りますからとてしをれるをすかして、さらば門口まで送つて遣る、叱からるゝやうの事は爲ぬわとて連れらるゝに四隣あたりの人胸を撫でゝはるかに見送れば
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
再會していよ/\君が情ある人なることを知る。されど薔薇は既にしをれ、白鵠くゞひは復た歌はずなりぬ。おもふに君は聖母マドンナの恩澤に浴して、我にことなる好き運命に逢ひ給ふなるべし。
(定重は奧へゆかんとする時、奧より佐々木高綱は頭髻もとどりを切りたる有髮うはつ僧形そうぎやう。直垂の袴をくゝりて脛巾はゞきをはきたる旅姿にて笠を持ち出づ。あとより薄衣、與一、六郎、小萬等は打しをれて送り出づ。)
佐々木高綱 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
湿りたる土ののさみしさにかげりつつうちしをる。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
しをれの甘きもぞする。……ああ見まもれど
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
しをれたる調和てうわにぞ修道女しゆうだうめ一人ひとり消えさり
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
しをれたる官能くわんのうの、あるは、青みに
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いづくにかしをれし花の息づまり
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
しをれたるもののにほひは
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)