“晷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かげ38.9%
ひかげ27.8%
とき16.7%
ひあし5.6%
かげり5.6%
5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何かしら薄ら寒いが、いいなぎである。明るいようでもかげりやすい日射し、照ってもまた光り耀かぬ黒い波濤の連続、見れば見るほど大きな深いうねりである。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
今のように早く電燈がつかないから、夕暮の色が漸く濃くなるまで、ひかげを惜しんで明るいところへ机を持出しているのではあるまいかと思う。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
茶の間へ坐り込んで、厭な内輪ばなしなどにときを移していたお増は、行った時とは、まるで別の人のような心持で、電車に乗った。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
しかれども忘れられたる古墳を尋ねとむらはんには、秋の彼岸にはひあし既に傾きやすく、やうやうにして知れがたき断碑を尋出して
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
晩夏おそなつの午後五時半の日光につくわうかげりを見せて
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
門々かどかどの松は除かれて七八日ななやうかも過ぎぬれど、なほ正月機嫌きげんの失せぬ富山唯継は、今日も明日あすもと行処ゆきどころを求めては、夜をに継ぎて打廻うちめぐるなりけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)